暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
序章
プロローグ
PrologueV-T
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
てるし、見つかってるじゃない」
「え? あぁー…………」

 確かに今の状況だけを見れば、結界の基点がある場所で凛に見つかったという間抜けを晒しているわけで。

 いくら結界の方に集中してたとはいえ、屋上に上がってきたのが一般人だったなら事前に気付いたのだが。
 恐らく屋上に魔術行使の気配を感じた凛は、気配を消しながら近づいてきた故に察知できなかった。

 これで俺が犯人だったなら話は解決だが、現実として俺は結界に一切関与していない。

「そういう考え方でいくなら、おまえが犯人って可能性もあるわけだが」
「は?」
「ここの基点の状態を見に来たとか、基点閉じられたのを感じて邪魔者を排除にきたとかな」
「そんな理屈があるわけ…………いや、そうか。状況証拠だけじゃ決定打にはならないわけね」

 そう。決定的な証拠、俺が犯人たる根拠。
 それを凛が提示できない限り、この場は何も解決しない。

 仮に力ずくで俺を排除したとしても、犯人が別に居た場合それは徒労に終わる。
 そして罪無き相手を裁いたという事実は、この先ずっと、魔術師としての遠坂凛について回る。
 少なくとも彼女は、魔術師にとってはそんな瑣末な出来事を気に病む性格、性質をしているのだ。

「いいわ。でも、一つだけ確認したいことがある」
「……なんだ?」
「上着を脱いで、袖を捲って見せて」
「──────」

 その発言に目が点になり、息を飲み、絶句する。

 えーっと。ついさっきまで魔術師同士が殺し合いになりかねない、シリアス空気じゃありませんでしたっけ。

 コイツは今、何と仰いましたか?

「凛さま、もう一度言っていただけますか?」
「上着を脱いで、袖を捲りなさい」

 まさか、もしかして聞き間違いじゃないのか。
 いやしかし、まだ勘違いの可能性もある。

 今度こそ、三度目の正直だ!

「ごめん。もう一回」
「上着を脱ぐ。袖を捲る」
「hah? Pardon?」
「………………」

 二度あることは三度ありましたー。
 あまりの衝撃に完全に日本語の発音で英語で聞き返してしまった。

 何やらプルプルしだした遠坂さん。
 あっ、見事に地雷を踏み抜いたっぽいぞ。

「いいから脱げってのよ!!」
「きゃー!? 痴か……痴女ですのー!!」
「あんたっ……言うに事欠いて……!」

 屋上に響き渡る俺の叫び声。
 学園のアイドルに脱がされるという、ある意味羨まれる構図かもしれない。が、如何せんこんな季節に裸にされてはたまらない。

 仕方なしに上着を脱ぎ、袖を肩まで捲って見せた。

「これで俺が犯人じゃないってわかるのか?」
「そういうわけじゃないけど……まぁ一つの目安よ」

 腕を持ち
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ