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Fate/stay night -the last fencer-
序章
プロローグ
PrologueV-T
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…………」

 魔術回路を起動し、術式解読・構造解析・構成解明の詠唱節を、魔術刻印から読み込んで起動する。
 俺が呪文詠唱、魔術行使をするまでもなく、魔術回路に記録されたそれが俺の意志に従って自動的に発動。

 結果得られた情報は、俺が想像していたものよりも数段性質の悪い代物だった。

「結界内に存在する生物を溶解させ、自らの養分として吸収する紅血の封域結界…………」



 ──────魂喰らい(ソウルイーター)──────



 信じられない。
 一体どこのどいつが、ウチの学園にこんなものを仕掛けたというのか。

 それも俺には、多分凛にも無効化することのできないレベルの結界だ。
 設置された時点で完全に後手であり、発動された時点で完全に手遅れである。

 これを仕掛けた魔術師を探し出し、結界を解かせるか魔術師本人を滅するか。

 それ以外にこの結界を無力化させるための手段は俺にはない。

 現状で今すぐその魔術師を発見することは不可能だ。
 ならば応急措置といえども、邪魔をするぐらいはしなければならない。

System down(術式解体), Deep freeze(支点封印)────」

 循環する魔力の流れを停め、巡る術式を分壊する。
 結界の規則に沿って三つの手順を繰り返し、基点を一時的に閉じる。

 完全に破壊、無力化できないことに歯噛みする思いだが、何もしないよりはマシだろう。

「チッ……今はこんなもんか…………」
「へえ。何がこんなもんなの?」
「────────」


 瞬間、取った行動は完全に反射だった。

 屈んだ体勢から脚に強化の魔術を通し、声がしたのとは逆方向に飛び退く。
 感じ取れた魔力の波長から声の主が凛であることは窺えたが、言葉と共に敵意を向けられては平然とはしていられない。

 自然と感知できるほどの魔力が漏れている……つまり魔術回路は起動状態。
 魔術を発動可能な状態から敵意を向けるということは、戦闘も辞さないという意思表示。

 故にこちらもメインの魔術回路を全て起動し、全ての魔術刻印を奔らせる。

「で。貴方はここで、何をしていたのかしら」

 臨戦態勢に入ったこちらを気にすることもなく、凛は刺々しい視線をぶつけてくる。
 答え如何では戦うことも辞さないのは理解できるが、すぐさま攻撃行動に移らないところを見ると、彼女もまずは現状の疑問を解きたいのだろう。

「別に……性質の悪い結界が仕掛けられてたもんで、解析と基点封じをだな」
「ふうん。私としてはアンタが犯人って考えもあるんだけど」
「結構な短絡思考だな。俺ならこんな仕掛け方はしないし、ここでおまえに見つかるヘマもしねぇよ」
「実際仕掛け
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