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Fate/stay night -the last fencer-
序章
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PrologueT
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高さは嫌いじゃない。自分に誇りがあるってことだからな。中身が伴えば、もう少しマシになると思うんだが…………」
「……おまえにそんなことを言われる筋合いはない。用がないなら、さっさと消えろよ」
トゲトゲしい雰囲気を少しばかり和らげ、慎二はすれ違うようにこちらを一瞥して、道場の奥へと歩いて行った。
今はあんな感じだが、中学時代はまだ性格も柔らかく、それなりに交友関係も築いていた。
ある時期から豹変したように人が変わってしまい、彼の周囲を取り巻く人間関係もガラリと変わった。
思えば喧嘩をしたのもその頃だったか…………
確か知り合いの女の子を誘っているところに出くわして、一人の女の子に対して数人掛かりで囲み、あまりに無理強いをしていたから割り込んだのだ。
何とか場を収めようと説得を試みたが功を奏さず、内の一人が殴りかかってきたのを切っ掛けに全員が俺に襲い掛かってきた。
後ろに女の子を庇って思うように回避が出来ず、やむを得ず手を出さざるを得なくなった。
恐らくは俺への攻撃行動には積極的でなかっただろう慎二をも、俺は敵として暴力の対象にしてしまったのだ──────
過去へ馳せる回想も一瞬。
俺は道場の入口へと向かう。
「じゃ、美綴。俺もおいとまするわ」
「ああ。気が向いたならまたおいで」
この後で不機嫌な慎二が桜に八つ当たりすることも考えられたが、今は美綴も一緒にいるので大丈夫だろう。
弓道場を出る寸前に目配せで美綴に挨拶を交わした後、俺は自分の教室へと向かった。
昼休みの屋上。この場所には誰もいない。
春夏秋には生徒がいることもあるが、冷たい風に晒される真冬には人っ子一人いないのがこの場所の常だ。
いつもここで一人昼食を摂るのが、最近のマイブーム。
たまには教室や学食でクラスメイトと、生徒会室で柳桐や衛宮と絡んでいることもあるが、基本的には一人で過ごしている。
学園にあってはそれなりに交友関係もあるが、俺は気質的に集団の中にいることが苦手なため、一人になりたがる傾向にあった。
4、5人までならば許容範囲だが、それを超えると煩わしさが勝ってしまうのだ。
而して、今日は何故か先客がいたりした。
「あら、奇遇ですね」
「……どうやら、今日は縁があるみたいだな、凛」
二人しかいない故に、俺の彼女への呼び方も姓名から名前に変わる。
彼女との付き合いは長い。
この町に住むことになったときに、魔術師として……土地のオーナーとしての彼女と相対した時からの付き合いだ。
俺が元々住んでいた場所は既に霊脈が枯渇していたため、移住を余儀なくさ
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