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Fate/stay night -the last fencer-
序章
プロローグ
PrologueT
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先輩じゃ、何もかも違いすぎるし……」
「……んー、間桐はもう少し自分に自信を持った方がいいな。中身は空でも構わないから、私実は凄いんです! みたいな振る舞いをしておいたほうがいい」
「…………このあいだ、美綴先輩にも同じようなこと言われました」
「へ?」
「あー、ダメダメ。この子、何でかすっごい弱気なんだもん。それよりクロ、あんたも衛宮に言ってやってくれない? 弓道部に戻って来ぉいって」
「無茶振りすんなよ。通い妻の間桐が話しても無理なんだろ? そんなら俺が言ったところで効果ねえよ」
「か、かかか、通い妻だなんて、そんな…………」

 ────衛宮士郎。

 以前弓道部に所属していた男子生徒で、間桐が毎朝通っている家の主。
 射の腕前は一級品。あの武芸百般の美綴をして、弓においては敵わないと云わしめた豪傑な男子。
 普段は生徒会長の柳洞一成と行動を共にしていることが多く、いつも誰かに頼まれごとをされているような奴だ。

 彼とは同学年であり、バイトで共になったこともあるので面識がある。
 というより、先程心中で果報者と言った相手こそが、衛宮士郎その人。

 個人的な事情により衛宮は弓道部を退部したのだが、美綴は未だに衛宮の部活復帰を諦めていない。
 自分からもアプローチをかけているみたいだが、間桐に対しても言い含めるように伝えてあるのだろう。
 その毎朝通い妻となっている間桐を以てしても説き伏せられないのだから、特別深い交友もない俺なんかでは土台無理だった。

「アンタも、剣道に飽きたらこっち来なよ。別に未練があるわけでもないでしょ?」
「そりゃあ……有るか無いかで言えばねぇよ? けど、こっちしんどそうだからなぁ」

 自分は元々、オールマイティ型の人間である。
 穂群原学園の同級生からは、一部分において美綴の男版との評価もあるくらいの。逆もまた然り。

 なので剣道でも柔道でも弓道でも、ある程度は並々こなせるのだ。
 しかし一番の得手は剣術、二番手に棒術であり、そこからそれ以外の武術が入る。
 部活動自体は内申書のためが一番の理由なので、俺としては別にどの部活に所属していても良かったのだが…………

「あたしのシゴキ程度じゃ根も上げないくせに、よく言うよ」
「いや、そういう意味じゃなくてだな…………」

 その理由も口に出して言うことでもないので誤魔化したかったのだが、バッドタイミングなことにその原因の一つが来てしまった。

 弓道場の戸を壊さんばかりに勢いよく開け、間桐慎二がズカズカと入ってくる。

 名前からもわかるとおり、間桐桜の兄である。
 一応あんなんでも副主将なんて肩書きを持っているので、部外者である自分は何も言えない。

 そして弓道場に入ってきた慎二は、やたら
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