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Fate/stay night -the last fencer-
序章
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PrologueT
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「はい、すみません!」
あまりの迫力にチビりそうである。
なまじ美人なだけに、怒った顔をされると普段の何倍も怖い。
…………いや、普段から怖いなんて思ってるわけじゃないよ?
拳が離れた後、美綴の拳から目線を離した俺は、ゆるりと凛の方を見つめる。
互いに座っている状態ながら、足先から頭の天辺までを視線が往復すること二回。
「うーん……」
「何かしら、黒守君?」
「いや、三キロ違いっつっても、それは単に胸の差なんじゃ────」
瞬間、周囲の気温が下がったのは気のせいではない。
いくら風も冷たくなってきたこの季節といえど、こんな急激に寒くなるようなことはないはずだ。
そう……学園のアイドルであるはずの、遠坂凛さんが放つ殺気による錯覚だった。
今すぐに泣いて逃げ出したい。
「黒守クン、ナニカ仰ッイマシテ?」
「い、いえ、何でもありません! 遠坂さんの美しさに比べればどんな宝石の輝きも霞むことでしょう。今日もお美しくあらせられますです、はい!」
「そう? ありがと」
くっそっ、わかっているのに口を突いて出てしまう本音。
弁解する様は腰が低いなどという言葉だけでは表現しきれない。絶対服従の奴隷といえども、ここまで卑屈にはならないだろう。
寧ろ自分でせっせと墓穴を掘っているのだから、始末に負えない。
しかも掘った穴に自分から飛び込んで、後は穴を埋め戻すだけという状況なのだからもはや手遅れだ。
さすがはさすが、学園内で男女問わずの逆らってはいけないリスト、トップ3に入る二名である。
この二人に対してここまで愚かな発言が出来てしまう人間は、学園内で数えても片手で足りるだろう…………俺を含めて。
「ところで、何の話をしてたんだ?」
「あなたには関係のないことです。もしかしたら万分の一以下の確率で、あなたにも関係あるかもしれませんけど」
「えぇー、それはないっしょ」
「??」
全く意味が分からない。
万分の一以下で関係していると言われても、それはすでに関係ないと言われているようなものだ。
俗に三十二万分の一以下の確率は、ゼロと見なしていいと言われている。
解りやすく言うと、飛行機が墜落する確率がそれである。ゼロとみなしていいと言っている割には、現実には稀によく墜落事故も起きているが。
稀によく。ここ大事。
ちなみに一年以内に全人類が滅んでしまうほどの隕石が降ってくる確率は、0.0002%とか百万分の二とか言われています。
百万分の二の確率……つまり約分して五十万分の一というわけである。
三十二万分の一以下の可能性の事象が現実で起きている以上、飛行機やヘリが32回以上墜落したら限りなく高い確率で隕
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