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Fate/stay night -the last fencer-
序章
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PrologueT
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無理をしても身体は丈夫な方なので、ほとんど怪我をしたことも病気になったこともない。
とまあそんな感じで、黒守黎慈は表向き普通の学生である。
「………………」
穂群原学園剣道場。
大きくはないが狭いわけでもなく、今の部員数なら程よく使える良い部室だ。
そしてその道場の真ん中で、仁王立ちしている俺の姿があった。
「今日は0人……新記録だな。昨日は来てたのに、今日はもう主将すらも来なくなったか」
本来は常に道場に顔を出し、部員を教え導かなければならない主将様までもが、今日に至っては影も形もない。
当然である。
なぜか毎朝やってくる男はあまり手加減というものをしない。
後輩相手ではイジメ、同輩相手では足元に及ばず、先輩相手でも歯が立たない。
必然的に試合相手になるのは一番の実力者である主将となり、主将が潰れれば他の人間が叩かれていく。
結果一人残らず食い尽くされ、本人は涼しい顔でやられた側だけが疲労困憊。
そんなものが毎朝続いたのではたまったものではないし、学生生活にも影響が出てしまう。
部員たちが俺を避けて早朝練習をボイコットするのも仕方のないことではあった。
僅かな可能性として部員全員が家庭の事情により、早朝練習をやむなく休んだということも考えられる。
まあ、そんな可能性は皆無だろう。
「面白くねぇなぁ…………そうだな、弓道場の方に行ってみよう」
弓道部には、鋼鉄の女丈夫と名高き美綴綾子がいるはずだ。
俺と同じく毎日朝練に出向き、ちょくちょく顔を合わせることもある。
少なくともここで来るはずもない剣道部員を待っているよりは、そちらに赴いた方がいくらか面白いだろう。
朝練に励む他の学生を見ながら歩き、弓道場前に着いた。
着いたはいいのだが、今日は珍しく美綴は誰かと雑談しているようだ。
彼女の声が外にまで漏れ聞こえてくる。
「あはははは! やったー、重さで三キロ上回ったー!」
突如、何か拳を叩き付けるような音が響き渡った。
下手をすれば、叩きつけられた物は深刻なダメージを負ったのではないだろうか。
「……って、体重で勝っても嬉しくないってのよこのタヌキ!」
何やら騒がしい。
それに彼女が素の態度で誰かと接しているのは珍しい。
余程仲のいい部員が居るのか、親友でも来ているのか。
彼女らの憩いを邪魔するのも気が引けるが、こちらも暇な身だ。あわよくば、自分もその雑談に入れてはもらえまいか。
コンコンと、戸をノックする。
さすがに自らの所属でない部活動場所に入るに当たって、土足でズカズカと上がり込むような真似は出来ない。
「お客みたい
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