第百四十三話 終わらない明日
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怪我は負っているが命に別状はないってさ。よかったな」
「はい」
キラは複雑な顔でそれに応える。
「それでだ。会うかい?」
「ナタルさんに」
「そうだ。よかったらな」
「じゃあ」
キラはムウと共にラーディッシュに向かった。そこにはフレイもいた。
「フレイ」
「やっぱり来たわね」
フレイは彼に対して声をかけてきた。ティターンズの服を着ている。
「うん、ナタルさんがいるって聞いて」
「そうなの」
「ああ、それでナタルさんは」
「こっちよ」
彼女は医務室に彼を案内する。
「今手当てを受けているわ」
「じゃあ」
「一緒に行きましょう」
キラはフレイに連れられて医務室に向かう。そこにシンが来た。
「貴方、誰?」
「俺か?シン=アスカだ」
シンは名乗った。
「君は何ていうんだ?」
「フレイ=アルスターよ。そう、貴方が」
「そうか、君がか」
シンとフレイはお互いを見合う。空気が強張る。
「君の親父さんを殺したのは俺だ」
「私を助けたのは貴方ね」
「えっ」
クルーゼのドラグーンからだ。フレイはそれを覚えていたのだ。
「有り難う」
「・・・・・・いいのか」
シンはフレイに対して問うた。
「それで」
「ええ、いいわ」
フレイはそれに答える。
「私も貴方も戦争してるから。だから」
「・・・・・・・・・」
「その時はね、キラにも酷いこと言ったし利用しようとしたわ。コーディネイターなんて皆いなくなればいいって本当に思ったわ。それは否定しないわ」
フレイは俯いて答える。キラとシンはそれを黙って聞いていた。
「けれどわかってきたの。コーディネイターとかそういうのって小さなことなんだって。ロンド=ベルにいて。そしてティターンズで貴方と戦ってその貴方に助けられて」
「俺もキラとは何度も戦った」
シンは言う。
「本当に殺すつもりだった。ナチュラルは嫌いだった」
「今は?」
「キラは仲間だ。そして皆も」
それがキラの今の考えだった。
「だから俺は今はキラと」
「そう。じゃあ」
フレイは顔をあげる。
「これから宜しく。フレイって呼んで」
「ああ。じゃあ俺はシンって呼んでくれ」
「ええ、シン」
「フレイ」
二人は笑顔になった頷き合う。そしてキラを入れて三人で医務室に入った。
そこにはフレイと同じくティターンズの軍服のナタルがいた。彼女は医務室のベッドから上体を起こしていた。
「アルスター少尉」
「艦長・・・・・・」
「もう私は艦長ではない」
そう言って微笑んできた。
「ドミニオンは大破したしな」
「そうですか」
「連邦軍に今月まで誘導されている。そこで修理を受けるそうだ」
「ですか」
「私もまた。どうなるかわからない」
「同じですね」
フレイはナタルのその言葉に頷く。
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