第百四十二話 仮面の裏
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ドミニオンの前にアークエンジェルがいた。ジブリールはそのアークエンジェルを見て叫んだ。
「アークエンジェルを沈める!いいな!」
「了解!ローエングリンてーーーーーーーっ!」
ローエングリンを放つ。ティターンズの他の敵艦やモビルスーツを相手にしていたアークエンジェルもアストレイの三人もそれには気付かなかった。光に気付いた時にはもう遅かった。
「艦長、左舷!」
「よけて!」
ミリアリアの声を聞いてすぐに指示を出す。だが。
さしものトールも舵取りが間に合わない。そのまま腹に当たるところであった。
「無理です艦長!」
トールが悲鳴をあげる。
「直撃です・・・・・・!」
カズイが青い顔で言う。
「このままだと」
「くっ・・・・・・」
サイの言葉にマリューは歯を噛み締める。こうなっては覚悟を決めるしかなかった。
だがその前に三人と共にアークエンジェルを護衛していたムウが前に出た。シールドでその砲撃を受け止める。
「なっ!」
「ムウ!」
ナタルとマリューはそれを見て同時に声をあげた。
「どうしてここで」
「ムウ、貴方」
「へへへ、ヒーローってのは絶対にいい場面で出て来るんだろ?」
ムウは笑いながらマリューにそう返す。
「そして不可能を可能にするもんだからな。だから」
流石に戦艦の主砲を受け止めるのは無理があった。ストライクは至るところから火を噴きはじめていた。
「ただ、ちょっと無理が過ぎたな。悪い」
彼は言う。
「ちょっと休むわ。じゃあな」
そのまま火を噴きながら落ちていく。マリューはそれを見て呆然としていた。
「ああ・・・・・・ムウ・・・・・・」
「艦長、ドミニオンが!」
だが戦いはまだ続いていた。ドミニオンはまだいたのだ。
「来ます!すぐに!」
ミリアリアはマリューに言う。マリューはすぐに我に返って言う。
「艦首を向けて!」
マリューはそれを受けて咄嗟に叫ぶ。
「ローエングリン一番二番てーーーーーーーっ!」
すぐにローエングリンを放つ。それはドミニオンを直撃した。
艦全体が揺れる。艦橋も。ナタルもジブリールも吹き飛ばされ激しいダメージを受けた。
「閣下!」
とりわけジブリールのダメージは深刻だった。全身を強く打ち口から血を吐いていた。
「くっ、もう駄目か」
彼は壁に背をもたれかけさせていた。しかし口からだけでなく全身から血を流していた。顔には死相が浮かんでいる。
「損害は?」
「艦長!」
「うう・・・・・・」
ナタルも倒れていた。帽子が彼女の横に落ちている。副長が何とか立ち上がって答える。
「全軍の損害、四割に達しました」
「そうか」
「今五割に」
「わかった。最早限界だな」
ジブリールはそこまで聞いて述べた。
「全軍撤退だ」
彼は指示を下す。
「ドミニオンは
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