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故郷は青き星
第十五話
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機動要塞は自爆。爆発により発生した莫大なエネルギーで跳躍の痕跡である空間歪曲を破壊し【敵性体】艦隊の追跡を断ち切った。
 離脱後、ワープを繰り返しながらシルバ6と53の大型機動要塞は冥王星軌道付近にたどり着くが、エルシャンは覚醒させられる事も無くそのまま絶対安静状態におかれて、治療用タンクベッドの中で治療を続けられた。一ヶ月の治療の結果エルシャンは生命維持に問題が無い程度には回復する事が出来た。しかしまだ1人での歩行は不可能な上に、擬体との同調は辛うじて可能だが、戦闘が出来るレベルには回復しておらず、今後の治療やリハビリを経ても一般的なフルント人パイロットのレベルにも大きく劣る程度にしか回復できないと告げられた。
 目覚めて最初に「死ねなかったのか」と呟いたエルシャンに、マザーブレインにかけた言葉は『パイロット。エルシャン・トリマは死にました。最後まで戦い抜いて壮絶な最後を遂げました』だった。
 憑き物が落ちたような顔で「パイロットとしての俺か……」と呟く彼の目からは涙が零れ落ちる。『他に生き方はありませんか?』マザーブレインの声は何処か優しかった。
 だが、その直後に先程の件が始まり全てが台無しになった。



 その頃、宇宙船ウルスラグナの船内では……
「も、もしかしてモノリスなのか?」
 圧倒的な大質量で迫ってくる航宙母艦にウォルターの声が震える。
「形が違うだろ……モノリスはあんなにでかくない……それに今は2029年だ……2001年でも2010年でもない」
 ロバートは操縦手として出来るなら宇宙船を動かして逃げたいのだが、まだメインバッテリーからの電力供給が回復していない。
「……馬鹿だな、ちゃんと小説を読めよ。モノリスは色々あって、大きいのはもっとでかいし……現れるのは2001年と2010年だけじゃないんだぜ」
 冷静に振舞おうとするトールだが、いつもの軽口のような切れが無かった。

「ちょっと待って、あれ近づいてきてるわ!」
 自分の視点が変わらないのに、次第に物体の輪郭が大きくなり、ついには窓枠より大きくなった事に搭乗科学技術者のジョイスが気付く。
「ぶ、ぶつける気か?」
「いや、捕らえてインプラントとかする気じゃない?」
 ウォルターの怯えたような声に、茶化すように笑いながらトールが答える声がかぶさる。
「お前は何でそんなヘラヘラしてんだよ!」
「俺だって笑ってなければやってらんないよ。一杯一杯なんだよ!」
 相棒の態度に怒るウォルターだが、トールも精一杯の虚勢を張っていただけだった。
「おいトール。インプラントかどうかは分からないが、捕らえる気は満々だな」
 船長のケネスが落ち着いた様子で話しかける。
 こんな時でも冷静な彼の声に、他の乗組員もさすが船長と思い、落ち着きを取り戻す。
 乗
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