第八話 幼児期G
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ください』
「でも、やっぱり俺は…」
『教えてください。どうしてますたーが魔法を避けるのかを。僕もますたーと一緒に、それと向き合っていきますから』
お前、そんなにも…。コーラルが本気なのだと、俺にもその気持ちが伝わってきた。今でもあれと向き合うのは嫌だ。でもそんな臆病な俺と一緒に、向き合ってくれると言ってくれた相棒がいる。
……わかった、俺も真実を話すよ。
「俺が魔法を使わない理由はな」
『……はい』
「俺が、……理数系が壊滅的だからなんだ」
『…………はい?』
俺は溜まっていたものをぶちまける。どうしてこの世界の魔法は、ファンタジーじゃなくてオーバーテクノロジーなんだッ!!
「わけわかんねぇんだよ。魔法使ったら数式やらプログラムやら計算やら複雑怪奇なものが、頭の中に流れてくるんだぜ。解けねぇよ。魔法の構築や制御なんか泣きかけた。物理とか公式とか見ただけで悟り開きかけた。むしろ見るのもいや。コーラルが処理してくれても、自分の頭にプログラムみたいなのが羅列するし。なんか酔うし、積極的にやりたくない。魔法は使いたいけど、嫌いなことしたくねぇよ!」
ほんとに世界はこんなはずじゃなかったことばっかりだよ! なんでなのはさんたちも、二次小説の方々も普通に使えるのさ!? 俺がへなちょこなだけなのか?
『そ、そんな理由ぅーーー!!??』
「そんなとはなんだ!? 俺にとっては死活問題だぞ!」
『ますたーが、勉強頑張ったらいいだけの話じゃないですか!?』
「おまッ、あんなにも感動的な台詞言っといてこっちに丸投げ!?」
『もうすぐ2年経つのに、僕未だに念話しかできないなんていやですよー!!』
「文系と体育だけが友達なんじゃーー!!」
「うるちゃぁああい!!!」
「『ごめんなさーい!!!』」
ここにジャンピング土下座を含む、様々な土下座が繰り広げられたという。
******
『今度から理数の勉強もやりましょうね』
「えー、ほら俺4歳なんだし」
『ますたーって昔から自分に都合が悪くなると、すぐ年齢だしてきますよね』
デバイスに駄目だしされた。後日一応頑張らせていただきます、と約束していじめないでもらった。
「しかし、梅雨が明けるとすぐ暑くなるな」
『そうですね。もうすぐ夏ですか』
「夏のイベントと言えば、……あぁそうか、もうそんな時期になるのか」
『もうすぐ2年ですものね』
俺がコーラルを受け取ったのは、3歳の誕生日のことだ。それからもうすぐ2年。俺たちの5歳の誕生日がもうじき訪れることになる。
「5歳か…」
『今年もお出かけされるのですか?』
「たぶんね。母さん、俺たちの誕生日は絶対に休むだろうし。
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