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外伝 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
NO.1、再び(1)
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う、お互いにね」
そう言うと先輩は笑みを浮かべて私の肩を叩いた。先輩って癒し系、有難うございます……。
帝国暦486年 1月 2日 帝都オーディン 兵站統括部第三局第一課 アデーレ・ビエラー
「アデーレ、アデーレ」
「どうしたんです、コルネリア先輩」
お昼休み、食事を終えまったりとしている私のところにコルネリア先輩が血相を変えてやって来た。どうしたんだろう、こんな先輩は見た事が無い。
「何落ち着いてるの、貴女。人事発令、見た?」
「いいえ、見てません」
「何やってるの、ヴァレンシュタイン少将(ぼうや)が戻って来るわよ」
「えーっ」
私だけじゃなかった、彼方此方で驚きの声が上がる。慌てて軍のホームページから人事発令を確認する。マウスのキーの動きが遅い! なんて苛立たしいの! 兵站統括部は発令リストの中でも一番最後だ。それだけで軍内部での兵站統括部の位置が分かる。ずっと探していくと……、有った!
エーリッヒ・ヴァレンシュタイン少将 現職:宇宙艦隊司令部作戦参謀 新職:兵站統括部第三局第一課長補佐。
戻ってくる、私達のナンバー・ワンが戻ってくる! でも課長補佐?
「先輩、課長補佐ってどういう事でしょう?」
「さあ、どういう事かしら」
私が首を傾げると先輩も首を傾げた。
役職の階級から言えば課長の下は係長、その下が主任になる。課長補佐という役職が無いわけではない、本来は課長と係長の間に有り、課長の職務を補佐するのが役目だ。もっともかなり中途半端な地位で課長昇進までの一時的なポスト、或いは定年間近の人が箔付けのために就いたという。現在では長い戦争による人員不足から置かれていない。
「一時的なポストでしょうか、先輩」
「それともずっとそこに置くのかしら……」
一時的なポストなら兵站統括部に置く必要は無いはず、だとするとずっとここに置くのだろうか? つまり左遷? でも今回の戦いでは大功を挙げたと聞いているけど……。戸惑いながら先輩に視線を向けると先輩も困った様な表情をしている。
「分からないですね」
「そうね、分からないわね。課長なら知っていると思うけど……」
そう言って先輩はディーケン少将の席を見た。少将は席に居ない。多分外に食事に行っているのだろう。
ディーケン少将が部屋に戻ってきたのはお昼休みが終了する直前だった。そして私達が尋ねるより早く課員を集めるとヴァレンシュタイン少将が第一課に戻ってくる事を話しだした。もしかすると外に食事に出たのは昼休み中に詮索されることを嫌ってのことかもしれない。
「既に人事発令を見て知っているかもしれないが、今度ヴァレンシュタイン少将が兵站統括部第三局第一課に配属されることになる。此処には五日から出仕する筈だ。役職は課長補佐、私
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