暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRYTAIL-ダークブリングの力を操りし者-
第二十話 決着……そして
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いる。現代で言うところの網膜センサーなどを魔法で再現しているらしい。ここの警備員が酒場で酔っていた時、上手く聞き出したのだ……カナが。俺はそういうのは苦手だ。何より相手が怯えるからな。

 ではどうやってここを掻い潜るかというと、それはこれを使う。と言っても魔法に疎い俺は今手に持っている物が何かよく分かっていない。いや使い方も効果も分かる。以前もこれを使って入室したからな……だが、こんな魔道具見たことがないのだ。

「……ミストガンの奴、これをどこで手に入れたかも教えてくれないしな」

 まぁ俺はこれが使えればそれでいい。水晶のようなソレの中に以前回収しておいた評議員の髪を一本入れると交わるように溶けていく。そしてそれを粉々にするため握りつぶした。さてここからが本番だ。

 この魔道具は相手の皮膚や頭髪など本人の一部(恐らくDNAが必要なのだろう)を入れて割るとその人そっくりの幻影を作り出すことができる。しかしここの結界魔法では幻影は無効化される効力もありこれのみでは意味をなさない。つまり、実体がなければいけないのだ。

「なら実体を一時的に作ればいい」

 現実化のDB【リアルモーメント】

 幻を一瞬だけ現実に変えることができるDB。これによって先の幻を実体化させる。すると見事に扉が開くという寸法だ。


 今回俺が調べるのはゼレフの遺産。と言っても前回のヘタレ笛についてではなくデリオラと呼ばれる怪物。十数年前いくつもの都市を壊滅させ実在の記録がある悪魔。今回はこいつについて調べる。と言っても

「はぁ、強敵探しのためとは言えこの無数にある本棚からデリオラの資料を探すだけでも一日は潰れるな。さすがに気が滅入るが……」



――それでも俺のために探すとしよう。奴はまだ生きていると予感しているのだから。
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