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FAIRYTAIL-ダークブリングの力を操りし者-
第十七話 原作開始
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は来ていない。アイゼンヴァルト程度の奴らがギルドマスターを殺せるとは思えない。ただ、その情報の中に気になる点があった。



―――呪歌(ララバイ)


 黒魔導士ゼレフが作り出した魔笛を使った生きた魔法。
 魔笛の音を聴いた者全てを呪殺する集団呪殺魔法。その魔笛の封印を解き、ララバイをもってしてギルドマスター達を暗殺しようとしているとらしい。
 だが、俺にはそれをもってしてもマスター達がやられるとは思っていない。理由はいくつかあるが一番の理由はまずそれを扱えるだけの実力者がアイゼンヴァルトにはいない。

 マスター達レベルの実力者を呪殺となると相応の魔力が必要のはずだ。ラクリマを使い長年魔力を溜め込んだとしてもアイゼンヴァルトがララバイを見つけたのが比較的最近の話だ。時間が足りないだろう。闇市場から高魔力ラクリマを購入したのなら話は別だが……。

 だがそれにしてもだ。すでにこの情報はマカロフに伝えてあるし、その時の返答からも自信に満ちていたので問題はないはず。

 ならば何故ここに俺がいるのかというと、それは好奇心。
 ララバイがどうにも引っかかる。呪い殺す魔笛であるのに何故生きた魔法と言われているのかだ。正直ある程度の予想はついている。それはゼレフに関する事柄を調べていけば容易に想像がついた。

 それは文字道理あの魔法は生きているということだ。
 その昔、同じく黒魔導士ゼレフによって生み出されたデリオラという大型の魔物がいたそうだ。突如として現れたソレは街を破壊しつくす魔物だったらしい。ただそれが現れたのは十年以上前のこと。ゼレフはそれ以上前に死んでいるためデリオラを作り出すことなど不可能なのだ。

 つまり何かしらの媒体にデリオラが封印されていたのではないかと予想ができる。そして今回の呪歌(ララバイ)も魔笛の中に魔物がいるのではないかと俺は思っている。
 そんな極上の強者を見す見すマスター達に取られるわけには……そんな危険な魔物をマカロフに近づかせるわけにはいかない。

「これこれ、そんな物騒な気配を出すでない」

「……よく気がついたな」

 振り返るとそこには腰に手を当てながら透明化している俺に迷いなく近づいてくるマカロフがいた。いつの間にか歪んでいた口元を戻し対面する。

「全盛期からいくらか衰えたとはいえ、小童にはまだまだ負けんぞ」

「さすが俺が所属するギルドのマスターだ。そうでないと困る」

「相変わらず口の減らぬ奴じゃの……そうそう、実はミラから連絡が来ての。ナツとグレイとエルザ、そしてルシアはまだ会ったことないと思うが新人のルーシィの計四人でパーティを組み、例の闇ギルドと事を起こすかもしれんと連絡してきたわい」

「……何とも胃が痛くなりそうなメンバーだな」

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