第4章 聖痕
第37話 暗殺者(アサシン)
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来ないと思います。
ならば、最期をどちらの立場で迎えるか、の差でしか有りません。
問題は、ギャラリーと成っているカジノの客達の処遇。
確かに、ここで死すべき定めを持たない人間を死なせる訳には行きません。現実をあまりにも歪めるような現象を起こすと、流石に、これより後に悪い流れが生み出される可能性が有りますから。
但し、俺には蘇生魔法が有ります。そして、人質が有効だと思われると、以後、同じ方法を使用され続ける事と成ります。
流石にこれはウザイ。そして、面倒です。
ならば、ここは強気で押すのが正解だと思います。それに、テロリストに屈しないのは基本ですから。
仮面の支配人が、そのトレードマークと成っていた白き仮面を外した。
ゆっくりと、露わになって行く暗殺者の素顔。
細い髪質の金の髪の毛。やはり、かなり華奢な体型に良く似合う黒のスーツ。年齢は、見た目から判断すると、俺とそう変わらない年齢に見えます。
涼しげと表現すべき瞳。西洋人特有の深い彫。すっと通った鼻筋。少し薄い唇。
ある意味、仮面に隠す必要などなく、そして、仮面に隠す必要の有る造作の顔で有りました。
確かに、西洋人の男性は、少年期を過ぎると体格も大人の物となり、少年時代とは違う雰囲気と成るので、彼の体格と顔の造作から推測すると俺とそう変わらない年齢と考えて間違いないと思います。
そう。ここは、森と泉に囲まれたヨーロッパの全寮制の男子校、と言う設定の方がしっくり来る。そんな雰囲気を、仮面の支配人ファントムと名乗った青年は発していました。
仮面を付けていた故にか、やや収まりの悪く成った金の前髪をすっと右手で払い除け、俺とタバサを見つめるファントム。
青年期に到達していない、西洋人の少年の危ういまでの雰囲気を発しながら。
「お久しぶりで御座います、シャルロットお嬢様」
恭しく、シャルロットに対して貴族風の礼を行うファントム。
しかし、そのような挨拶など、タバサの方は無視。いや、少しの陰に近い気を発しているのは確かです。
その理由は、果たして、俺が暗殺され掛かったからなのか。
それとも、オルレアン家の使用人が、殺人祭鬼の関係者から現れる事に因って、自らの身柄を確保しようとする連中の思惑に、自らの父親の暗殺や母親に毒を盛られた事件への繋がりを感じ取ったのか。
もしくは、その両方の理由に因る物なのか。
「お忘れですか、御嬢様の家に御使え致して居りましたエリックめに御座います、シャルロットお嬢様」
そう問い掛ける仮面の支配人ファントム改め、元オルレアン家使用人エリック。
しかし、エリックですか。もしかすると、音楽と奇術に明るい猟奇殺人者と言うような人物
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