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蒼き夢の果てに
第4章 聖痕
第37話 暗殺者(アサシン)
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録されていない闇カジノです」

 そこまで告げた後、一度、呼吸を整えるように息を吐く。
 そして、ギャラリー達。つまり、カジノの客達の方を一瞥した後に続けた。

「まして、危険な薬物を使用して客の正常な判断力を低下させた上で、ギャンブルにのめり込ませて行くような方法で稼いでいるカジノは、流石に国としては野放しに出来ないでしょう」

 更に、その香自体に常習性が異常に高いと思われる。こんな危険な物を使用していて、調査が入らないと思う方が不思議でしょう。
 それとも、この仮面の支配人殿は、俺やタバサが、未だこの違法薬物らしき香について気付いていないとでも思っていたのでしょうかね。

 俺の暴露話に、ギャラリーの間から不満と怒りのどよめき、そして、それに相応しい陰の気が発生する。
 しかし、それでも暴動にまで発展する事は有りませんでした。
 それは、自らの杖を奪われている事を思い出したから。いくら、魔法使い(メイジ)とは言え、この世界の魔法使いは、杖が無ければただの人。
 いや、もしかすると、普段から身体を鍛えていない貴族ならば、直接的な戦闘能力は平民として蔑んでいる人間達よりも劣るかも知れないのですから。

「民営カジノで有ったとしても、すべてを取り締まる心算は有りません。
 国民に取っての娯楽を奪う事は、ガリア王家の本意では有りませんから。
 しかし、そうで有ったとしても、為して良い事と、為してはならない事の線引きは必要でしょう。
 それで無ければ、他の善良な紳士の社交場としてのカジノも、ここと同じような危険な場所として国民に認知されて仕舞い、結局、国民に取っての貴重な娯楽をひとつ奪い去って仕舞いますから」

 ギャラリー達は、自らが何も出来ない事が判っているのか、俺とファントムとのやり取りを、固唾を呑んで見つめるだけ。自らの意志で何も起こそうとはしません。
 う〜む。しかし、天は自ら助くる者を助く。この言葉は、このハルケギニアには無いのでしょうかね。

 確かに、タバサの正体が花壇騎士だと暴露されて仕舞いましたから、ここで騒ぐよりは、あの二人。つまり、俺とタバサにすべてを任せて状況が動いた時にこのカジノから逃げ出せば良い、と考えて居る可能性が高いとは思うのですが。
 何故ならば、ギャラリー達の雰囲気が、カード勝負の時には前掛かりの雰囲気だったのが、今では、やや後ろに体重の掛かった雰囲気に変わっていますから。

「さて、仮面の支配人殿。カジノのオーナーとして、カードの勝負で最後を迎えますか。それとも……」

 俺が、最終通告を行うかのようにそう告げた。
 そう。それとも、本業の方で生命を終わるか。好きな方を選べばよい。

 おそらく、前回の暗殺者達の末路から考えると、コイツらを生きて捕らえる事は出
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