第4章 聖痕
第37話 暗殺者(アサシン)
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思います。タバサが賭け金を吊り上げて勝負に出た瞬間に何らかの魔法が行使された反応が有り、その一瞬後に俺が倒れた。
ここに何らかの繋がりを見い出せないような人間なら、賭け事には手を出しては来ないでしょう。
「カードの勝負の結果など開かずとも決まっているでしょう。
今までの勝負で、一度もシャルロットお嬢様の方からチップを積み上げた事は有りませんから」
想定通りの答えを返して来るファントム。
まして、それは当然の答えでも有ります。今まではファントムが仕掛けて来た戦いを、王者の装いで時には受け、時には流して来たタバサが、初めて自ら勝負を挑んで来たのですから。
そして、負けを覚悟したが故に、俺を殺した上で、タバサの身柄を確保しようとしたのでしょう。
何故ならば、こいつは、クリスティーヌと名乗ったはずのタバサを、現在は本名のシャルロットお嬢様と言う名前で呼んでいるのですから。
今の彼女の見た目は、長い金髪を持つ少女に変装していて、元々の彼女の姿形を知っていたとしても簡単に判るはずはないのですが。
「それに、私の正体についての疑問はないのですか?
私は、クリスティーヌと名乗ったお嬢様の事を、シャルロットお嬢様とお呼びしているのですよ」
大して追い詰められた雰囲気でもない口調でそう答えるファントム。
確かに、その辺りに付いては、普通の情報しか持ち得ない人間に取っては疑問でしょう。しかし、俺には、レマン湖々畔で暗殺者に狙われた経験が有り、ダンダリオンの情報から、ここのカジノが、地球世界の伝承上に有る山の老人伝説との関連性を疑っていました。
まして、再び呪殺と言う方法で暗殺され掛かりましたからね。
ここまでの情報が与えられたのなら、いくら頭の血の巡りの悪い俺でも想像ぐらいは付きます。
「レマン湖の湖畔で彼女の拉致を狙った暗殺者の集団が居ました。おそらく、その連中の仲間だと思いますね」
それに、少なくとも、拉致しようとした相手の本名ぐらいは調べて有るでしょう。
もっとも、彼らがタバサを拉致しようとした目的は未だ判らないですし、誰の命令、もしくは依頼で動いているのかも判らないのですが。
「このガリアの法では、カジノは適法。認められていたと思いますが、違いませんか。
私どもは、お客様に細やかな楽しみの時間と、夢の空間を提供しているに過ぎないのですよ。そのカジノに、花壇騎士様が身分を偽り、変装まで行った上での内偵とは穏やかな話とも思えないのですが」
未だ、白い仮面と、カジノのオーナーとしてのふたつの仮面を身に付けたまま、そう問い掛けて来るファントム。
しかし、その程度の反論など想定の範囲内。
「確かに、登録されている通常のカジノならば合法です。
しかし、ここは登
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