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蒼き夢の果てに
第4章 聖痕
第37話 暗殺者(アサシン)
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し、更に続けて

【俺が倒れてから、ディテクトマジックをこのカジノは使用しているか】

 ……と、【念話】で問い掛けた。

 ほんの少し、横顔のみを俺に見せるようにして、ひとつ首肯くタバサ。
 そして、

【大丈夫。ディテクトマジックは、貴方が倒れて以来、使用されていない】

 ……と答えた。
 成るほど。それならば……。

【ハルファス。俺とタバサに、ヤツラに気付かれないように魔法反射を頼む】

 一応、転ばぬ先の杖。再び、同じような魔法に因る呪殺を防ぐ意味からも、この魔法反射は必要でしょう。

 確かに、俺は場の精霊を支配して、系統魔法の発動は阻止出来ます。更に、相手との実力差。つまり、精霊を友にする能力の差が有れば、相手が行使する精霊魔法ですら制御する事も可能です。
 しかし、この世界のコモンマジックに代表される自らの精神力のみで発動するタイプの魔法。地球世界に於ける超能力系の魔法の場合、精霊の能力を一切使用しないので、発動を完全に防ぐ事は不可能と成ります。

 そして、ファントムが使用した呪殺はおそらく、この世界の念動と呼ばれるコモンマジックで発動された(PK)で心臓を握り潰す魔法。
 もし、この魔法が呪殺としての(シュ)を持っていなければ、俺は今、この場には立っていなかったでしょう。

 ダンダリオンの警告に従い、呪殺を禁止する呪符を装備していなければ。

 もっとも、ファントムも魔法の世界に生きる人間ならば、一度種の知れた手品を再び行使して来るとも思えないのですが。故に、転ばぬ先の杖と言う表現です。

 何故ならば、ヤツの魔法で一度倒れたはずの俺が立ち上がった以上、間違いなく、何らかの防御手段を持っていると言う風に判断していると思います。
 そこに、再び同じ魔法で攻撃して来る可能性は低いと思いますからね。
 普通に考えると、偶然、呪殺に効果が無かった、と考えるような楽観主義者が、暗殺者集団の指揮を行うとも思えませんから。

「さて、妙な形で中断して仕舞いましたが、最後の勝負を再開しましょうか。
 それが、カジノのオーナーとしては当然の選択だと思うのですが、どうですか、仮面の支配人殿」

 テーブルの上を確認しながら、ファントムに対してそう問い掛ける俺。
 大丈夫。テーブルの上にはタバサのカードが伏せられたまま。そして、ファントムのカードも未だ伏せられた状態。
 これならば、最後の勝負は未だ続ける事が出来るでしょう。おそらく、俺が倒れていた時間は、五分も無かったと推測出来ます。タバサは未だしも、ギャラリー達の方に大きな動きが無い以上、そう考える方が妥当だと思いますから。

 先ほどまでと同じ方向から、事の成り行きを見守るギャラリー達。
 彼らも状況は判っていると
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