第4章 聖痕
第37話 暗殺者(アサシン)
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尚、俺がここに呼び寄せられたのは、眼前のスカアハに無理矢理召喚されたような形なので、あの暗殺者は、彼らの使用する心臓を潰すと言う呪いが、効果が有ったと思っている可能性が有りますから。
しかし、ロイヤル・ストレートフラッシュで上がった心算だったのですが、うっかり、九連宝燈で上がって仕舞ったようですね。
確かに、どんな手牌を作り上げようとも、勝敗が決する前に死亡したら、そいつは敗者確定ですから。
俺の言葉を聞いたスカアハは、何を思ったのか、右手を俺の額にかざした。
そして……。
一気に流れ込んでくる膨大な情報!
……って、何と言う有りがちな展開。直接、俺の頭に技……つまり、心臓を必ず貫くと言う槍の技を放つ時の術式を叩き込まれました。
成るほど。つまり、ゲイボルグと言うのは、槍の名称の事ではなくて、技の名前の事だったと言う事ですか。それも、霊力を消費するタイプの。
確かに、必ず心臓を貫くと言う呪が籠められている段階で、普通の武術の技とは違う雰囲気の技ですから、伝承を正しく理解すれば、こうなる方が正しいような気もしますね。
「ふむ。此度の弟子は、槍に関しては素人と言う事ですか」
そう呟きながら、俺の事を少し意味あり気に見つめる。
やや感情に乏しかったその容貌に、少しの精気と気力が回復した。そんな雰囲気を漂わせながら。
そうして、
「どうです、武神忍。このまま、現世に帰る事などせずに、私の元で修業を行う心算は有りませんか?」
……と、問い掛けて来た。
成るほど。これは、誰の言葉だったか定かではないのですが、勧誘と、借金の申し込みは早ければ早いほど良い、と言う事なのでしょうか。
それに、影の国の女王が、初めて俺の名前を呼んでくれましたしね。
但し……。
「済みませんが、女王。私には現世でやり残した仕事が有ります。その仕事を放り出して女王の元に参る訳には行きません」
タバサの依頼を完遂して、彼女に俺と言う使い魔が必要で無く成れば、それもまた楽しいのかも知れませんがね。
もっとも、それ以前に、俺には、地球世界に戻る方法を探す必要も有りますから。
俺は未だしも、才人の方は帰る事が可能かも知れませんから。
何故ならば、才人に取って重要な因果の糸を結んだ相手が、地球世界には居るはずですから。
但し、それ以前に、彼の主との縁の方が強くなり、帰還用のゲートを開く事が難しくなる可能性も有るのですが。
「そうですか」
何となく、スカアハから残念そうな気が発せられたような気がしましたが。
……そう言えば、スカアハ自身、クー・フリンの悲劇的な最期から、以後、武芸の弟子を取らなくなったと、
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