第4章 聖痕
第37話 暗殺者(アサシン)
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かなり平静な雰囲気でそう聞いて来るスカアハ。
それに、この問いは当然だとも思いますが。
「向こうの世界。タバサに召喚される以前にも、こう言う生活を続けて居ましたから。一応、その場に有った戦法と言うのは、幾つか用意して有ります」
まして、今回の戦闘の場合、手加減を行う必要が有りましたから。
いくら何でも、トドメを刺す訳には行かないでしょう。
まぁ、スカアハの精霊の護りを完全に打ち破って、その後に倒すとすると、戦闘中に咄嗟に思い付くのは、飛霊を使用してスカアハの精霊の護りを打ち破った後に止めを刺す、と言う方法しかないとは思いますけどね。
後は、その前に色彩を狂わせて、視覚の攪乱を行って置くぐらいですか。
現在の魂魄のみの存在の俺が出来る戦闘方法としては。
せめて、梱仙縄やグレイプニル系の相手を捕縛する呪が組み込まれている宝貝を如意宝珠で再現できたなら、こう言う戦いは楽にこなせるとは思うのですが……。
それでもスカアハの方も、俺相手に本気で戦った訳ではないはずですから、この部分に関してはオアイコと言う感じですか。
「それに、流石に、ここから帰った直後に暗殺者との戦闘が有りますから、ここで能力を使い切る訳には行きませんので」
現在の俺の状態。魂魄だけの存在とは言っても、魔槍の一撃、それも、元祖使い手のスカアハの攻撃をマトモに貰ったら、かなりマズイ状態に成ります。
最悪の場合は、魂魄を完全に破壊されて、転生の輪に還る事さえ出来なくなる可能性だって有るはずですから。
俺は、そうスカアハに答えてから一度言葉を止め、そして、少し息を整えてから続けた。
いや、本来ならば呼吸など必要は有りません。これは仙術。大気の形で気を取り込み、身体を巡らせる為の。
そう、戦闘で消費した霊力を少しでも回復させるかのように。
「さて、影の国の女王。貴女の試しは無事にクリア出来たと思いますが」
それまで会話を交わして来た雰囲気とは違う、神と相対すに相応しい雰囲気を纏い、そう続ける俺。
清にして冽なる神の試しを潜り抜けし人に相応しい雰囲気。しかし、心は既に別の場所に飛ばしながら。
そう。出来る事なら、一分一秒でも早く我が主の元に帰して欲しいですから。
あの呪殺を一度は無効化したはずですが、二度目は無理。そして、俺が倒れた時の状況から考えると、あの後には間違いなく戦闘状態に発展していると思います。
まして、俺は槍を扱った事はないので、例え魔槍を手に入れたとしても、その能力を使い切る事は出来ません。これでは、宝の持ち腐れとなるだけでしょう。
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