第百二十九話 地獄元帥の陰謀
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った。
「何が出てもね」
「しかしだよ」
だがユウナはまだ言う。
「何でここにトダカ艦長がいないのかな。折角国家元首の手料理がいただけるというのに」
「若しもの時の為です」
キサカが言った。
「艦長までいなくなってはクサナギが」
「そうか」
「そうです。我々三人がいなくなってもまだ船は動きますが艦長がいなくなれば」
「仕方ないね」
「覚悟しましょう」
「うん・・・・・・」
「おい、出来たぞ!」
キッチンから声がした。
「野菜シチューとステーキだ。ほれ!」
そう言ってシチューとサラダが運ばれて来た。
「食え!」
「食えっておい」
シンがまず抗議してきた。
「何だよこの野菜シチュー」
「何だ?何処か変なところがあるか?」
「変も何もよ」
彼は言い返す。
「何だよこの訳のわからねえシチューは」
見れば皮が剥かれていない野菜がそのまま入り加奈いい加減な料理になっている。ステーキも焦げている。如何にも戦場で素人さんが作りましたといった料理である。
「ステーキだってよ。ミディアムつってもよ」
「それはレアだ」
「御前はもうちょっと肉の焼き方勉強しろ」
シンはカガリに言う。
「何処の兵隊さんが作った料理なんだよ」
「私が素人だというのか!?」
「そうだ!」
シンは遂に席を立った。
「こんなのを食堂に出すな!」
「五月蝿い!黙って食え!」
「ふむ」
アズラエルが既に食べていた。
「まあ食べれますね。塩気が強くて野菜にまだ芯が残っていますが」
「うん、そうだね」
ユウナももう食べていた。
「まあ何とか」
「普通にまあ不味いというレベルですね」
キサカとシンも言う。
「意外と」
「意外なのか」
「腕は上がっていますぞ」
キサカがそうカガリに言う。
「最初と比べると」
「そ、そうか?」
そう言われると顔をほんのりと赤くさせた。
「ええ。ですがまだ修行が必要ですな」
「そうか、わかった」
「修行しても無駄なモンは無駄だがな」
「御前は黙って食え!」
「ああ、食ってやるよ」
相変わらずこの二人は仲が悪い。そもそも二人の仲直りの為の食事なのだが皆それは忘れていた。
「しっかしよお、本当にまずい料理だぜ」
そうは言いながらも食べる。
「シチューに長ネギとかよ。普通玉葱だろうが」
「フン」
とはいっても三角巾にエプロン姿のカガリはわりかしさまになっている。まだ彼女は殺人鬼というレベルではなく単に経験不足であるらしい。
「まあいいさ。食えることは食えるからな」
「私だって女の子なんだぞ」
そう言い返す。
「料理位は。その、だ」
「まあ何かをするのはいいことですよ」
アズラエルがそれを珍しくフォローした。
「男でも女でも料理はね。するに越したことはないです」
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