第百二十六話 明けない夜
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「御前は一体何を掴むというんだ!」
「上だ!」
ジェリドは言う。
「もっと上にいってやる!その為にもまず貴様だ!」
「くっ!」
二人の戦いも激化していく。ティターンズは数を背景に派手な攻撃を仕掛けてくるがロンド=ベルはそれを完全に防いでいた。やがていつものようにティターンズの損害が目立ってきていた。
「ジブリール殿」
ジャマイカンが彼に声をかけてきた。彼等は今後方で例によってスードリに乗り込んでいた。
「どうされますか」
「何、もうすぐだ」
ジブリールはその劣勢の戦局を見てもまだ冷静なままであった。
「もうすぐで全てが整う」
「全てがですか」
「そうだ」
彼は答えた。
「もうすぐだ。あれの用意はいいか」
「はい」
後ろにいる参謀の一人がそれに応えた。
「ようやく今整いました」
「よし、では投入しろ」
彼は言う。
「前線にな。主力モビルスーツ部隊は安全な場所にまで下がれ」
「はい」
「そしてあれで決める。いいな」
「あれとは何ですかな」
ジャマイカンはそれに問うた。
「何かあるようですが」
「巨人だ」
それに対するジブリールの言葉は一言であった。
「巨人!?」
「そうだ、巨人だ」
また答えた。
「それを使う。それでベルリンに入城するのだ」
「何かわかりませんが」
「何、すぐわかる」
ジブリールの血色の悪いその顔に笑みが浮かんでいた。彼には珍しい感情を露わにしたものであった。
「すぐにな。ではすぐに前線に向かわせろ」
「了解」
こうして何かが前線に向かった。今山が動いた。
それまで押していたロンド=ベルだがふと何かに気付いた。それは巨大な三体の巨人であった。
「!?何だあれは」
最初に気付いたのはカットナルであった。
「ブンドル、何か出て来たぞ」
「うむ。何か何処かで見たシルエットだな」
次にケルナグールもそれに気付いた。
「何だあれは」
「ふむ。ビグザムに似てるな」
ブンドルは前線にやって来る三体の巨人を見て述べた。
「だがビグザムはジオンのもの。ましてや陸上では使えぬ筈だが」
「そうだな。ではあれは一体何だ?」
「サイコガンダムでもないぞ」
「うむ。見たこともないモビルスーツだな」
「あれは一体」
「何だ、このプレッシャーは」
アムロはその三体の巨大なモビルスーツから得体の知れないものを感じていた。
「何かあるというのか、あれに」
「アムロ中佐、変ですよ」
ここでケーラが言ってきた。
「ティターンズのモビルスーツが距離を置いてきました。これは一体」
「距離をか。まさか」
アムロの鋭い勘がそれを教えていた。
「総員散会しろ!」
そしてすぐに指示を下した。
「あの巨大なモビルスーツから離れてだ!急げ!」
「!?了解」
まずはケーラがそ
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