第五十五話 過去
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「っ!!」
「しかし処分される予定だったその猫を助けたのだサーゼクスでした。サーゼクスは妹猫にまで罪は無いと上級悪魔の面々を説得したのです。結局、サーゼクスが監視する事で事態は収拾しました」
しかし信頼していた姉に裏切られ、他の悪魔達に責め立てられた小さな妹猫の精神は崩壊寸前だったそうだ・・・
「サーゼクスは、笑顔と生きる意志を失った妹猫をリアスに預けたのです。妹猫はリアスと出会い、少しずつ少しずつ感情を取り戻していきました。そして、リアスはその猫に名前を与えたのです。・・・小猫、と」
(これが君の過去か。小猫ちゃん)
「つまり・・・小猫ちゃんは妖怪だったんですか?」
「そう、彼女は元妖怪。猫又をご存じ?猫の妖怪。その中でも最も強い種族、猫?の生き残りです。妖術だけではなく、仙術をも使いこなす上級妖怪の一種なのです」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ダンスの練習も終わり、闇慈と一誠は本邸に移動した。そして到着した途端リアスが迎え入れ、一誠を抱きしめた。闇慈はそんなことも目も暮れず真剣な表情で・・・
「リアス先輩。小猫は?」
それを聞いたリアスは険しい表情となって小猫の部屋に案内をした。そしてリアスの案内で中に入るとベッドの中で横になっている小猫と、その脇際で様子を伺っている朱乃がいた。
しかし今回の小猫は違った。小猫の頭から白い猫耳が生えていた。作り物でもない、本物の猫耳が。普段は隠していて、体力がなくなると出てきてしまうらしい。
「闇慈君、イッセー君、これは・・・」
「大丈夫です、朱乃さん。話はリアス先輩とヴェネラナさんから伺いました」
闇慈は朱乃にそう返すとベッドの隣に移動して小猫の様子を伺った。
「小猫ちゃん。身体は大丈夫?」
闇慈は小猫に優しく問いかけるが、小猫は・・・
「・・・何をしに来たんですか?闇慈先輩」
闇慈に見せた事のない不機嫌そうな声を上げた。闇慈は少し心に傷を負ったみたいだが表情は変えなかった。
「心配しているのに、その言い様はないんじゃないかな?」
闇慈が小猫を再び心配するが、小猫は答えない。そして闇慈は別題に入る。
「話はアザゼル先生とヴェネラナさんに聞いたよ。オーバーワークなんかしても良い事はない。小猫ちゃん・・・君は何を焦っているの?」
「・・・なりたい」
小猫はゆっくりと起き上がると涙目で闇慈を見ながら、こう言った。
「強くなりたいんです。祐斗先輩やゼノヴィア先輩、朱乃さん・・・そして、闇慈先輩やイッセー先輩のように心と体を強くしていきたいんです。ギャーくんも強くなって来てます。アーシア先輩のように回復の力もありません。・・・このままでは私は役立たずになってしまいます・・・ルークな
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