第32話
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したのだ。
左手を開けると青白い光が集まると二メートルもの蒼い両刃の剣が出現する。
柄の装飾など一切ない、文字通り刃だけある巨大な剣。
それを両手で掴み一気に神の力まで接近する。
それに合わせるように水翼を何十本も麻生に向かって振り下ろされる。
飛んでくる水翼を片っ端から切り裂いていく。
今度は水翼同士をぶつけ刃の豪雨を麻生に向かって放たれる。
麻生は剣でさばき切れないと判断すると星の力を集めそれを前方に展開して盾にする。
星の力の盾に触れた刃は次々と粉々に砕け散る。
そして神の力の背後に刀のような形をした剣が一〇本も生成されると、それは神の力に向かって放たれる。
その一本一本が星の力で作られた物だが水翼を圧縮して同じような剣の形を作ると、その飛んでくる刀に向かって放ち相殺する。
だが、神の力の意識が一瞬だけ背後に向いてしまった。
その一瞬を見逃さずに、麻生は手に持っている巨大な剣を神の力に向かって放つ。
「!?」
神の力がギョロリと眼球を飛んでくる剣に向ける。
すぐに何重にも重ねた水翼の盾を作り剣を防ぐ。
何とか剣の防いだ瞬間には、麻生は神の力の目の前まで接近していた。
今までの攻撃は神の力の目の前に接近するための囮だったのだ。
そして水翼の盾が壊されたいま絶対の隙が生まれてしまった。
左手に星の力を溜めて神の力の顔面に向かって突き出す。
拳は神の力の顔面を捉えたかに思えた。
だが、次の瞬間には神の力の身体はバリン!!、と音を立てて砕け散った。
その身体は水翼でできていた。
(これは偽物!!)
麻生が気づいた時にはドスン!、という音と同時に胸に違和感を感じた。
自分の胸を見下ろすと水翼でできた刀のような刀身が麻生の胸の真ん中を貫いていた。
麻生の口から血が溢れだす。
神の力はこの戦いが始まった瞬間には既に偽物を用意していたのだ。
「ち・・く・しょ・・・う・・」
麻生の身体に纏っていた光が徐々に消えていく。
神の力は刀身を引き抜くと重力に従うかのように、麻生は凍った海面へと落ちていく。
神裂はこの一連の戦闘を黙って見ているしかなかった。
手出ししようとしたが、その隙が全く見えなかったのだ。
気づいたら麻生の後ろに神の力がいて胸を貫かれていた。
「麻生恭介!!」
あの高さから氷の海面に激突すれば死は確実だ。
神裂は麻生を抱き留めようとするが距離が遠く間に合わない。
最悪の結果を想像しかけた時だった。
突如、氷の海
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