第32話
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ではない事は最初から分かっていた。
ただ、あなたがどれ程まで力を使えるかを確認したかっただけだ。」
神裂は麻生の問いかけに神の力が普通に答えている事に驚く。
麻生はそれが当然の如く話を続ける。
「その術式を使えば抑止力が黙っていないぞ。
特に「アラヤ」がな。」
抑止力?と神裂が聞いた事のない単語が麻生の口から聞こえた。
「解答二。
抑止力は現在活動していない。」
「なんだと。」
神の力の解答に麻生は驚きというよりも疑問に思っている。
次の神の力の言葉を聞いて麻生の雰囲気が一変する。
「星の守護者。」
ポツリとそう呟いた。
ぴく、と麻生はその言葉に反応する。
「星の守護者であるあなたが現在の星の状態に気付いていないとは。」
神裂は先ほどから聞いた事のない単語が出てきているのでそれを麻生に聞こうとした時だった。
ゾクリ、と背筋に悪寒を感じたのだ。
それは神の力から感じたのではない、目の前の麻生から感じたのだ。
突然、神の力が爆発した。
正確には神の力の周囲に酸素を生成してその中に塵を混ぜて導火線の代わりにして爆発させたのだ。
しかし、神の力は背中から生えている水翼でその爆発を防御していた。
そしてそんな事をできるのはこの中でたった一人だけだ。
麻生の表情はとても冷たく無表情でいてその表情の中に怒りのようなものが混じっていた。
「俺が星の守護者だと?
こんなくそったれた星の守護者だって言ったなお前は。」
神裂は今まで聞いた事のない麻生の声を聞いた。
その声にははっきりと殺意が混じっていた、神裂ほどの武人が震えるほどの。
「火織、質問を聞き終えたら下がるといったがあれはなしだ。
このクソ天使は一回殺さないと気が済まない。」
麻生は殺意の籠った目で神の力を睨みつける。
「お前から色々聞きたい事がまだあったがそんなのはどうでもいい。
俺を星の守護者なんて呼んだんだ、死ぬ覚悟はできているだろうな?」
瞬間、麻生の元に何かが集まっていく。
魔力でもないそれは麻生だけが使える力だ。
星の力。
その莫大なエネルギーが麻生に集まっているのだ。
麻生は星の力を体内で循環させる事で身体能力を聖人レベル以上のものまで引き上げている。
だが、この力は麻生にとって諸刃の剣だ。
この力は人間が扱うには過ぎた力だからだ。
長時間扱うのはもちろん、一つ扱いを間違えば麻生の身体を滅ぼす事になる。
そんな事は麻生が一番分かっていた。
だが、相手は神の力。
普通の戦いでは歯が立たない。
だからこそ、この力を使う事に
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