第32話
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ヤツは偽名を使ってくると思ったがそれにしてもミーシャはない。」
「?」
「ミーシャというのはですね、ロシアでは男性の名前につけられるものなのです。
偽名として使うにもおかしすぎる。」
「何だってそんな事を・・・」
「ロシア成教にはサーシャ=クロイツェフっていうのはいたけど。
おそらくそいつが「入れ替わっている」のがサーシャなんだろ。
この世にはな男にも女にもなれるヤツがいるんだよ。」
土御門の言葉に上条は眉をひそめた。
「忘れたかい、カミやん。
この大魔術が一体何の名で呼ばれているのか。」
瞬間、ミーシャの両目がカッと見開いた。
ドン!!、という地を揺るがす轟音と共にオレンジに染まる夕空が一瞬で星の散らばる夜空へと切り替わった。
上条は思わず頭上を見上げ、刀夜の息が凍る。
そんな中、麻生はヒュ〜、と口笛を吹いていた。
「天体制御ってところか。
属性の強化のための「夜」となると・・・・なるほど、月の守護者にして後方を加護する者か。
神の力、常に神の左手に侍る双翼の大天使か。」
御使堕し。
上条はこの術式の名前を思い出した。
御使堕しは天使を地上へと落す術式。
ならば、落された天使が元の場所へ帰ろうと思うのは当然の事。
すると頭上の月が一際大きく蒼く輝いた。
光の輪が満月を中心にして一瞬で広がり、夜空の端の水平線の向こうまで消えてしまった。
さらに輪の内部に複雑な紋章を描くように、様々な光の筋が走り回ると巨大な魔方陣が描かれる。
その魔法陣を見てさっきまで口笛を吹いていた麻生が、さっきの態度と一変して焦りの表情を浮かべ大きな声で叫んだ。
「ふざけるなよ、神の力!!
そこまでして天の席に帰りたいのか!!」
「おい、何がどうなっているんだ!?
あの天使は何をしようとしているんだ!?」
「簡単に言うとあの魔法陣が発動した瞬間、核兵器並みの威力を持った火矢の豪雨が地上に降り注ぐ。
そんなことをすれば人類の歴史は終わりを告げる。」
それを聞いた上条の表情は凍りつく。
神裂もあの魔法陣がどういったモノか分かっているのかミーシャを睨みつけている。
ミーシャ・・・神の力に視線を向けたまま神裂は上条に言う。
「上条当麻、「神の力」は私が押さえます。
あなたは刀夜氏を連れて一刻も早く逃げてください。」
その言葉を聞いて上条は最初何を言っているのか分からなかった。
相手は核兵器並みの魔術を使う相手に神裂は押えるといったのだ。
「あの「一掃」は発動するのに時間がかかります。
おそらく三〇分といった所でしょう。
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