GGO編
百六話 Encount
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」
「ど、どうするの!?バギーが使えないんじゃ戦うしか……」
現時点の状況で、それは避けたい事だった。何故ならいくら死銃が一人で、此方が四人もいるとはいっても、死銃がどういったメカニズムで人を殺しているのか分からない以上、あの拳銃の弾丸は一発ももらえないのだ。リスクが高すぎる。
しかし、リョウはそこで、モータープールの奥に会ったひときわ大きな一台の車両を見つけた。
「ハンヴィーか……?」
「え……?」
アイリの問うような視線を一瞥すると、リョウはキリトを見た。
「キリト!一番奥の車にシノンのせろ!何処でも良い!」
「リョウ、どうするの!?」
「俺が運転する」
あっけらかんと言ったリョウに、アイリとキリトが目を向く。
「あ、兄貴出来るのか!?」
驚いたように言ったキリトの問いに、リョウはフンッ、と鼻で笑うと肩をすくめてやはりニヤリとわらった。
「スクーター乗れるお前にバギーが操縦できて、なんで俺に四輪車が操縦出来ねぇんだよ」
「……っ……分かった!!」
キリトは安心したように笑うと奥に走る。リョウもそれに続くと、助手席にシノンを座らせるキリトと反対側。右側の扉を開ける。よくよく見ると、やはりハンヴィーに近い。座席は四つ。天井は一部が抜けて……というかガンシートがちゃんとある。まぁ固定火器までは用意されていないようだが。それにどうでもいいが、アメリカ製のゲームの癖にちゃんと右ハンドルになっている。変な所で芸が細かい。
運転席に滑り込んで刺しっぱなしになっていたキーを回すと、エンジンがかかった。燃料は満タンのようだ。
隣に座るシノンを見る。憔悴しきった顔に、相変わらず恐怖の色が強く見て取れた。少しばかり頭をいたくしつつも、リョウは未だに彼女の腕に刺さったままのスタン弾を彼女の体を乗り越えるように抜いてやり、(昨日の彼女なら間違いなく嫌がっただろうに)のんびりとした声で言う。
「ちっと荒いドライブになると思うんで……しっかりつかまってろよ?」
「……」
シノンは不思議そうな顔でリョウを見ると……
「……うん」
小さく頷いた。と、同時に後ろから声が響く。
「兄貴!良いぞ!」
「乗ったよ!」
「あいよ!んじゃあ出すぞ!」
聞くが早いが、ギアを入れ、アクセルを踏み込む。と……大きめの車体に似合わぬかなりの加速を持って、ハンヴィーは外に飛び出した。と、スタジアムの東側、まだスモークの残るその向こうに、黒いマントが見えた。ギリギリだったようだ。
「あっ!」
「「「!?」」」
と、キリトが後ろで大声を上げ、三人が驚く。
「しまった!建物の中にはまだ確かロボットの馬が……!」
「げっ!?壊してねぇぞ!?」
キリトの言葉に、リョウも反応する。追ってこられては面倒なのだ。
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