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カンピオーネ!5人”の”神殺し
第一部
白井沙穂 報告書

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【二一世紀初頭、新たにカンピオーネと確認された日本人についての報告書より抜粋】

 十二神将とは、仏教の信仰・造像の対象である天部の神々で、また護法善神です。十二夜叉大将(じゅうにやしゃたいしょう)十二神明王(しんみょうおう)ともいい、薬師如来および薬師経を信仰する者を守護するとされる十二体の武神なのです。
 十二神将は、薬師如来の十二の大願に応じて、それぞれが昼夜の十二の時、十二の月、または十二の方角を守ると言われ、そのため十二支が配当されました。また、十二神将にはそれぞれ本地(化身前の本来の姿)の如来・菩薩・明王があります。

 その中の一柱である、因達羅(いんだら)大将・・・ここではインドラと記しますが、その神は帝釈天・地蔵菩薩とも同一視される、とても有名な武神です。

 インドラはバラモン教、ヒンドゥー教の神の名称です。雷を操る雷霆神であり、ディヤウスとプリティヴィーの息子です。漢訳では帝釈天とされ仏教に取り入れられます。特に『リグ・ヴェーダ』においてはヴァーユとともに中心的な神であり、また、『ラーマーヤナ』には天空の神としても出てきます。ゾロアスター教では魔王とされ、一面四臂で、二本の槍を手にしているとされます。

 ルーツは古く、紀元前14世紀のヒッタイト条文の中にも名前があることから、小アジアやメソポタミアなどでも信仰されていた神だったことが確認されています。茶褐色の天と地を満たすほどの巨躯で、髪や髭は赤く、豪放磊落な性格。

 神酒ソーマを好んだとされ、強大な力を発揮する武器・ヴァジュラ(金剛杵)を駆使して、人々を苦しめる凶暴にして尊大な魔神・ヴリトラを倒すことから、ヴリトラハンと呼ばれることもあります。

 マハーバーラタ等で表現されている英雄たちの超兵器の一つが「インドラの炎」「インドラの矢」等という名で呼ばれています。太古のインドでインドラが、アスラ族またはラークシャサ(羅刹)の王ラーヴァナの大軍を一撃で死滅させたといいます。



 ―――すなわち白井沙穂は、この多数の名と属性を持つ武神を弑逆して、カンピオーネとなった女性なのです。


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