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とある星の力を使いし者
第31話
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少し溜息を吐きながら説明をする麻生。

「それで術式はどういう風な感じだ?」

「私の鋼糸(ワイヤー)を使って半径一〇〇メートルに禁糸結界を張ります。
 糸を張り巡らすのに二〇分くらいかかりますので、その間はどこかに身を隠してください。」

「糸の結界なら俺も手伝えるから着いて行く。
 それなら時間もそうかからない筈だ。」

麻生に右手には糸の束がいつの間にか握られていた。
神裂は麻生が手伝う、と聞くと少しだけ困ったような顔をする。
どうやら一般人に手伝ってもらうのは気が引けるようだ。
その神裂の考えが分かった麻生は言う。

「結界を早く張るのにデメリットはない筈だ。
 それにもたもたしていると火野が御使堕し(エンゼルフォール)を完成させる可能性がある。
 一刻も早く結界を張る必要があると俺は思うが。」

麻生の意見が正しいと分かった神裂は依然と困った顔をしているがと了承した。
神裂と麻生が結界を張りに行こうとするとき、何を思い出したのか神裂は上条の方に向く。

「それと、上条当麻。
 あなたはこの糸には触れないでください。
 結界の核たる糸にあなたの右手が触れてしまうと、魔術が解けてしまう恐れがありますので。」

「いや、いくら何でもこんな指ごとスッパリ切断されてそうな糸に触れようとは思わねーよ。
 触れてしまって右手が切断されたら、それこそ「不幸だから」の一言で済む問題じゃねーだろ。」

神裂は上条の言葉を聞いてぴく、反応して表情が消えた。
それに気づいた麻生は早く行くぞ、と神裂に話しかける。
ええ、と神裂は答えると振り返り結界を張りに行こうとするが上条がその背中を見た時、ゾクリ、という背筋に感触を覚えた。
麻生と神裂は結界を張る為に走り去っていく。







無人の住宅街を走りながら糸を張り巡らせ結界を築いていく。
神裂はこういった細かい作業は苦手だが、麻生がうまくフォローしてくれているので順調に結界を張りつつある。
すると、糸を張り巡らせながら麻生は神裂に聞いた。

「当麻の言葉を聞いてから何だか暗いな。
 何か癇に障る事でもあいつは言ったのか?」

え、と少し驚く神裂。
どうやら顔に出ているとは思ってもみなかったのだろう。
少し考えた後、神裂は自分の過去を話す。
本当ならこんな話を他人である麻生に話しても意味はないし、何より昔の事を思い出すので話したくはない。
なのに神裂は麻生なら話してもいいと思った。

「私は誰よりも幸運でした。
 生まれる前から天草式十字教の「女教皇(プリエステス)」の地位を約束されました。
 代わりに「女教皇(プリエステス)」を目指していた人たちの夢を潰しました。
 たった一つの当たりくじを必ず
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