暁 〜小説投稿サイト〜
蒼き夢の果てに
第4章 聖痕
第35話 仮面の支配人ファントム
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の方もその金額に応じたチップを積み上げてコール。
 こちらの方は普段通りのポーカーフェイスで。

 双方の役がテーブルに晒された時、ギャラリーの中から小さなざわめきが起きた。
 それも、タバサに取っては有利と成る、彼女に対しての好意的な気が。

 さて、勝負の結果は……。

 ファントムの手札。それは、ダンダリオンの情報通り、3と7のツーペア。
 タバサの方は、Jのスリーカード。但し、虚無のカードを含みます。

 先ずは一勝。それに、ダンダリオンの見たままの役が晒されましたし、俺も魔力……つまり、精霊が使役された気配は感じる事が有りませんでした。精霊魔法に関しても、そして当然、系統魔法に関しても。
 これはつまり、ファントムは、初戦は何もして来なかったと言う事ですか。

 場に積まれたアンティ(ショバ代)……参加料と、ファントムが積み上げたチップ。更に、彼が積み上げたチップと同額のチップを上乗せされた枚数のチップが、タバサの勝ち分に上乗せされました。
 これは、ヘタな貴族の年収が吹っ飛ぶんじゃないでしょうかね。

 第二戦。

 ファントムの役は、ダンダリオンの情報では剣のフラッシュ。
 こんな勝負は出来る訳がない。

 ……と言う訳で、素直に降りて置きます。

 第三戦。

 それまで通り、普通にシャッフルした後、積み込んだ山と、その今までシャッフルしていたカードのすり替えを行う俺。
 このカードを使用すれば、タバサの方には7とQのフルハウス。ファントムの方には、5と10のツーペアが出来上がります。
 まぁ、相手が小賢しいマネをして来たトコロで、相手の役が下がって、こちらは、最低でもスリーカードは担保される仕組みに成っていますから、間違いなく勝利出来る形には成っています。

 しかし、現状では、普通のカード勝負に成っているのですが。

【何をくだらない事を言っているのですか。勝たなければいけないのですから、これで良いのです】

 ダンダリオンの【念話】に因るツッコミ。
 但し、俺はそう考えただけで有って、口に出した訳ではないですし、【念話】にして発した心算も無かったのですが……。

 もしかすると、無意識の内に【念話】にして発して居たのかも知れませんが。

【ファントムの役は5と10のツーペアで間違いないのです】

 更に続けて、ダンダリオンがそう告げて来る。
 ……って言うか、さっきの【念話】が余分で、おそらくはこちらを告げて置きたかっただけなのでしょうね。

 それに、一応、現在のファントムの方の役は、こちらの予定通りの役ですので、テーブルの上に晒された時に変わっていなければ、今回も何の小細工もして来なかった事に成るのですが。

【7とQのフルハウス】


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