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蒼き夢の果てに
第4章 聖痕
第35話 仮面の支配人ファントム
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ダンダリオンには其処までの能力は存在しては居ません。
 しかし、ダンダリオンの鏡と言う能力に関してはかなりの精度で実行可能。

 少なくとも、目の前に存在している相手の手配を覗く事ぐらいは朝飯前です。

【Jのスリーカード】

 タバサから短い【念話】に因る報告が為される。

 さて、場の雰囲気に関しては、見た目から考えると、タバサを後押しする気の方が多いですか。

 なんと言っても、タバサは表情には乏しいですが、それでも美少女で有るのは間違い有りません。
 まして、このカジノで大金をすった人間も多いはずです。
 それに、このギャラリーの中には、先ほどまでルーレットで神懸かり的な強さを発揮したタバサの恩恵を受けた人間も居るはずですから。

 この場の雰囲気はタバサを後押しする雰囲気が出来つつ有ります。そして、精霊は俺が支配しています。ゲームに関しても、ディーラーを俺がやって居るので、支配していると言っても良いでしょう。

 この(ゲーム)は今のトコロ、タバサに負ける要素は有りません。

 天の時は今のトコロ、タバサに有り。
 地の利は、本来、仮面の支配人のホームグラウンドでの戦いですが、俺が、ゲームを取り仕切っている以上、タバサが有利。
 人の和は、カジノの客の意識をこちらに向けているので、仮面の支配人側を圧倒しています。

 この状況ならば、孟子先生がおっしゃった言葉を踏襲しているのは、間違いなくタバサの方です。そう言えば、この言葉は孔明先生も引用されていましたか。

 それに、孫子の中でも、算多きは勝つ、と言われています。

 既に、化かし合いの初手で、こちらに有利な条件での勝負を呑ませて居ます。
 そして、相手の香に因る精神への攻撃は無効化しています。食事に一服盛った策も。
 更に、俺の()の中にある勝利の方程式はひとつやふたつでは有りません。

 ……なのですが、漠然とした不安、と言うか、もやもやしたモノが残っているのは何故なんでしょうかね。

 彼を知らずして己を知るは一勝一敗す。
 孫子の兵法の中に有るこの言葉が、不安にさせている要因かも知れませんね。

 そう、精神(こころ)だけが別世界に行き掛けた俺を、仮面の支配人が積み上げたチップがこちらの世界に引き戻した。
 仮面に隠されている為に、その表情を窺い知る術は有りませんが。
 更に様子見、と言うには大きな額のチップ。

 もっとも、これは多少、仕方がない面も有るのですか。
 何故ならば、これまでにタバサが稼いだ額が大き過ぎるので、ちまちまと勝負をしていたら、この大きなレートでの勝負には勝利出来たとしても、今宵、このカジノでタバサが稼いだ金額をチャラに出来ない可能性も有りますから。

 当然、タバサ
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