第4章 聖痕
第35話 仮面の支配人ファントム
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じ表情で小さく首肯いた。その内側に、強い覚悟を隠して。
その肯定のサインを受け取る俺。そして、仮面の支配人ファントムに対して、
「その勝負、お受け致しましょう」
……と、短く告げたのでした。
☆★☆★☆
それでは先ず、このカード勝負のルールの説明から。
勝負方法はカード。地球世界のワイルドポーカーのルールと同じです。カードも杯(聖職)、剣(騎士)、金貨(商人)、杖(魔法使い)の四種類の絵柄に1から13までの数字を入れて、そこにワイルドカード。地球世界ならジョーカー。この世界で言うなら虚無のカードが加えられて、一度だけ手札を交換する事が出来るルールと成って居ります。
それにしても、ここでも農民ではなく、杖=魔法使いとなるのですか。
まして、地球世界では、トランプのカードの中にジョーカーが加えられたのは、割と最近に成ってからだったと思いますが、この世界のカードでは、中世に当たるこの時代から、既にカードの中に万能の切り札が存在すると言うのも、如何にもこの世界の実情を表しているようですね。
ゲームは十回戦って、先に六勝した方が勝利。そして、タバサの方は賭けるチップが無くなった場合でも敗北すると言う変則ルール。
ちなみに、十回戦った時に五勝同士と成った場合は、それまでに得たチップの総額で勝敗が決まる事と成ります。
確かに、少しタバサの側に不利なルールと成ってはいますが、そこは、ディーラーを俺がやって居ますから、大きな問題はないでしょう。
そうしたら、先ずは、
【ダンダリオン。タバサの手札が、ギャラリーの方から覗かれる、などと言う事はないな】
一応、そう聞く俺なのですが、同時に、これは飽くまでも確認の意味だけの質問で有って、本気でそんな事を心配している訳ではないのですが。
何故ならば、このカジノの中央付近にカード用のテーブルを配置させて、そこをゲームの主戦場と定めて居ります。故に、カジノの客や従業員たちを、少なくともタバサの背後に立つ位置には入らせない事をルールに組み込ませていますから。
もし、彼女のカードが少しでも覗かれていたら、その段階で、自動的にタバサの勝利が決定する、と言うように。
まして、視線には、ある程度の魔力が籠められる可能性も有ります。普通の人間でも、視線を感じる事が出来るように、俺やタバサ。それに、二人がそれぞれ契約している式神達は、すべて、ある程度の気。つまり、魔力の流れを読みます。
邪まな視線ならば、ある程度は感じるはずですから、勝負の最中でも察知出来るでしょう。
それに、もし、この勝負にも負けた時に、このカジノが殺人祭鬼などに関わりのないカジノなら、この位置での勝負に負けた相手を、荒っぽい方法で排除する事は出来ないでし
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