第4章 聖痕
第35話 仮面の支配人ファントム
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、私どもを御疑いなさるのならば、以後の勝負では、私どもではなく、お客様の方がディーラーと成って勝負を取り仕切って頂いても構いません」
勝利を信じて疑わない雰囲気で、そう提案を持ちかけて来る仮面の支配人。
しかし、魔法を使用せずに確実に勝利する方法と言っても、ディーラーをこちらにさせると言う事は、普通に考えるとないと思うのですが。
確かに、この危険な香の焚かれた中で、更に薬入りのワインや軽食を口にしたはずのタバサと俺が何時までも立って居られる訳はない、と判断した可能性が高いのですが……。
それとも、彼らも精霊魔法。つまり、精霊と契約した上で、魔法を発動させるタイプの魔法を会得しているのでしょうか。
モロク系の邪神を信奉する集団ならば、可能性は有りますか。
「成るほど。流石は大きなカジノの支配人ですね。剛毅なものです」
俺が、本当に感心したようにそう答えた。一応、それまで見せていた逃げ腰の雰囲気などではなく、やや及び腰ながらも、多少は話を聞いてみても良い、と言う雰囲気を発しながら。
もっとも、心の内側ではそんな太平楽な状態などではなく、むしろ、この部屋に来るまでよりも大きな緊張を感じていたのですが。
そう。この勝負にタバサが勝利した際には、間違いなく、戦闘状態に陥る事を覚悟した瞬間ですから。
先ほどの仮面の支配人との会話が。
「但し、ゲームに関してはこちらの方で指定させて頂きます」
そう言ってから、仮面の支配人は一度余韻を持たせるかのように台詞に間を置いた。もしかすると、仮面の下の素顔がほくそ笑んでいるのかも知れない。
そして、
「カードに因る十ゲーム勝負。先に六ゲーム取った方が勝利。
それで宜しいですか?」
……と、そう聞いて来る。
そして、その申し出は大体想定通りでも有ります。
まして、ルーレットであれほど勝ちまくって来たタバサに対して、ルーレットで勝負を挑んで来る訳は有りません。それに、サイコロにしたトコロで、基本的には数字の大小を当てるだけですから、ルーレットと同じと考えても間違いではないでしょう。
彼らは、俺のイカサマの種を知る方法は有りませんから。
対してカードの場合、運に左右される面も確かに有りますが、ある程度はその人間の実力に左右される面も存在します。
但し、こちらにディーラー役をやらせた上でのあの余裕の態度。何か、奥の手のような物を隠し持っている可能性も有るのですが……。
「クリスティーヌ。どうしますか?」
俺は、最終確認を行うかのように、自らの左隣に存在しているタバサにそう聞いた。
もっとも、答えを聞く必要など、初めから存在してはいないのですが。
タバサが、普段と同
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