暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第12話 帰る場所
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て)

 取りあえず食べるのを中止し、問いかけて見る事にしました。

「私はギルバート。……君は?」

 相変わらず、ザ・人見知り発動中です。もう少し優しく語りかけられなかったのでしょうか? 私が内心情けなく感じて居ると、女の子は壁に身体を隠し、こちらを覗きこむようにしながら「ルイズ」と答えてくれました。

(この娘が虚無の担い手ですか。マギは可哀想な娘。と、評していましたね。……私個人としては、例の件が無ければ近づきたくない人物ですね)

「もう遅いですから、早く部屋に帰って寝た方が良いです」

 しかし、反応がありません。私をじっと観察しています。

「喉が渇いているのですか?」

 また反応無しです。ですが時々視線が、私からバーガーに移っています。

「お腹が空いているのですか?」

 今度は反応がありました。ルイズは、ビクッと身体を振るわせてから頷きました。

「2個あるから、1個食べますか?」

 流石にお腹が空いている人の前で、堂々と自分だけ食べる事ができません。元々この食材は、公爵家の物ですし……。

 私の誘いにルイズは警戒しながらも、空腹には勝てなかった様です。黙ってテーブルに着きました。

 私は新たに皿を用意し、1個をそちら移してルイズの前に出してやります。ですがルイズは、なかなか食べようとしません。

「どーやって食べるの?」

 ああ、そう言うです事か。

「特に作法はありません。サンドイッチと同じ様に、手で持ってそのまま食べます。その際、具が落ちないように注意してください」

 ルイズは頷いてから、バーガーを手でつかみ齧り付きます。余程お腹が空いていたのか、凄い勢いでバーガーが減って行きました。まるで、普段食べさせてもらっていない子みたいです。

 そこで私も自分の分に手をつけようと、バーガーに手を伸ばしました。しかしその手を、途中で引っ込める羽目になったのです。

「ん〜〜〜!! ……み みず!!」

(まったく、そんなに急いで食べるからですよ)

 私はまだ手つかずだった自分の水を渡すと、ルイズは一気に飲み干しました。私は自分用の水を、新たに取りに行きます。

 帰ってくるとルイズは、私のバーガーを凝視していました。

(これじゃ食べ辛いです)

「まだ足りないのですか?」

「えっ……いえ、その……」

(態度見れば丸分かりだって言うのに、この娘は……)

「まだ足りないのですか?」

「……はい」

 念を押すと、ようやく肯定しました。

「あと何個食べたいのですか?」

「……2個」

「それを別にして、2個ですか?」

「……別で」

「分かりました。私の分含めて4個作って来ますの
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