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チートだと思ったら・・・・・・
九話
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いほどの鬼。俺だけで50は倒したってのに、まだ終わりが見えない。後方では桜咲が複数の鬼を相手に孤軍奮闘している。いつまでも、へばってるわけにはいかないか。

「明日菜、まだいけるか?」

「う、うん。アンタが何回も守ってくれたから……」

そんな申し訳ない顔をするぐらいなら礼の一つでも言ってくれた方が元気がでるんだけどな……まぁ、それはこの窮地を脱してからにしよう。

「行くぞ!」

「まかせて!」

俺と明日菜はそれぞれ武器を構え、待ちうける鬼共に向かって行った。



「なかなかやるなぁ!」

「アンタもなっ!」

俺が今相手取っているのは一際大きい一角の鬼だ。多分だが、原作で桜咲が別格と評していた内の一体だ。他の鬼にオヤビンって呼ばれてたし。

「お、らぁ!」

「ぐっ!」

正直、俺とは相性が悪い。戦いの歌を覚えたとはいえ、俺はまだまだ強化効率がすこぶる悪い。原作のネギ程の恩恵を得られないのだ。故にこの鬼の様なパワータイプの放つ強力な一撃は躱すしかない。今も半身になった体の真横に巨大な棍が振り下ろされた所だ。

「ちっ、またかわされたか。兄ちゃん、見えとるな?」

「見えていても肝が冷えるよ。アンタの攻撃はな」

俺のアーティファクトの恩恵、それは絶対的な視力の上昇と、ほぼ360°にまで広がった視界、そして透視能力だ。明日菜を助けに行けたのも、二つ目の恩恵のおかげだ。

「最初はいけすかん命令や思うたけど、悪うないな」

「俺はご免こうむりたいがね」

俺と鬼が、静かに武器を握りなおす。この鬼は強い……チャチャゼロ程ではないだろうが、それでも今の俺では荷が重い相手だ。だが、だからといって引くと言う選択肢は無い。足に力を込め、瞬動を行おうとした所で……

「ああ、あああ、あああああ!!」

烏族の鋭い連続攻撃を受けて吹き飛ばされる明日菜の悲鳴が耳に届いた。視界が広がったとはいえ、常に全てを見ているわけではない。一つの事に集中していれば、自然と視界は狭まる。俺は鬼との戦いに集中するあまり、明日菜が視界から外れていることに、全く気付いていなかった。そして、明日菜に気をとられた俺は……

「隙ありや」

容赦なく攻撃動作に入っていた鬼の攻撃を、察知することができなかった。
体に鈍い衝撃が走り、俺の体は中を舞った。





「っつぅ……」

ゆっくりと、背後にある岩に手をついて身を起こす。先ほど交戦した鳥頭。さっきまでの鬼達とは格が違った。こちらの攻撃は全てかわされ、防がれる。だというのに相手の攻撃は面白いように自分に当たるのだ。

「どうしよ……」

自分には戦いの経験等ないと言っていい。エヴァちゃん達との戦いは……此方は真剣であったが、今
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