暁 〜小説投稿サイト〜
チートだと思ったら・・・・・・
九話
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一秒みまんであったが、確かに俺とネギは唇を重ねた。

「………………」

「………………」

「………………」

「………………」

他三人と一匹が石化している中、ひらひらと舞うように落ちてきた仮契約カードをキャッチする。カードは外套を来た俺が立っているだけで、何か目立った武器のようなものは見られない。だが、これは俺の力になると、何故か確信していた。

「って、健二! アンタ一体なにしてんのよ!」

「落ち着け! 緊急事態だ、今は少しでも力が必要だろう! 俺はノーマルだから苦渋の決断だったんだぞ!」

我を取り戻したとたんもの凄い勢いで詰めかけてくる明日菜に若干引きながらも反論する。実際、しょうがなかった……アーティファクトは持っていたほうが有利なのは確実だ。今すぐにでも力が必要なこの状況ぐらいでしか行えるタイミングがないのだ。この時ばかりはキスしか方法を明示していなかった原作を呪った。とりあえず……

「………………」

「………………」

「………………」

「いつまで固まってるつもりだ!」

未だ戻らない二人と一匹を明日菜のハリセンを借りてブッ叩いた。その後は一応原作通りにネギと桜咲のパクティオ―が行われたのである。





「ふっ!」

干将を振い、懐に潜り込もうとしていた小鬼を切り捨てる。これでおよそ二十五体目だ。桜咲は俺以上の数を倒しているようだが、鬼達に終わりは見えない。それが実戦経験に乏しい俺には、精神的疲労となってのしかかってきていた。

「明日菜!」

「え?」

アーティファクト、センリガンの力によって本来”見えないはずの場所”まで見える様になった俺は明日菜の危機をこの目に捕えた。

「っだぁ!」

対多数戦闘なんてものを経験したことがない明日菜は間の取り方が全くできていない。俺もチャチャゼロのシゴキで数回経験しただけだから偉そうなことは言えないが、この眼を得たためマシにはなっているだろう。攻撃をかわした明日菜に背後から振り下ろされた巨大な棍棒を双剣を交差させて受け止める。

「ぐぅ、おおおおおお!」

一時的に身体強化の密度を上げ、一気に押し返す。それが意外だったのか、たたらを踏んだ鬼の胸に莫耶を突き刺す。

「あ、ありがとう。健二」

「はぁ、はぁ……どう、いたしまして」

何も疲労は精神的なものだけじゃない。先ほどから何度もこの様に明日菜を助けているため、肉体的な疲労も、確かに蓄積しつつあった。

あまたの鬼達との戦いは、まだ終わりを見せない。



「け、健二……大丈夫?」

「……あ? なんか言ったか?」

不味いな……数瞬だが意識が完全に飛んでた。アーティファクトによって広がった視界には数えきれな
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