九話
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な。
「最初の奇襲が失敗したらすぐに俺達を喚べ。これも忘れるな」
「分かりました!」
「それじゃあ……行くぞ!」
ネギの風障壁が解除され、鬼達の姿があらわとなる。だが、突然解除された風障壁に鬼達はすぐに反応できていない! そこに、ネギの最大呪文を叩きこむ。
――雷の暴風!
風邪を伴った雷は正面の鬼二十数体を吹き飛ばした。それに乗じてネギが杖に乗って飛び立つ。
「っ! いかせるな!」
一体の鬼の声に弓を持った鬼が反応する。素早く矢を番えるが、そうはさせない。
「姫を取り戻しに行く騎士の邪魔はさせんよ」
下手くそなりに使える瞬動で接敵し、首をはねる。鬼は弓と矢を落とし、還って行った。
「さぁ、始めようか」
――アデアット!
視界が変わる。ネギとの仮契約で得たアーティファクト、全てを見通すものは戦いにおいて重要な要素である眼に、多大な恩恵をもたらしていた。
「さて、作戦会議とは言ったが……取れる手段はそう多くないだろう」
「二手に分かれる……ですかい? ええっと……」
「宮内健二だ。そこのオコジョの言うとおり、我々の目的は近衛の奪還だ。奴らが近衛を利用して何かを企んでいる以上、早急に取り返す必要がある」
恐らく、どうやってもスクナは復活する。だが、何もしないのではより悪い方向へと事態が進みかねない。この作戦が上手くいかないと分かっていても、行うしかない。
「俺はここに残る。何せ飛べないからな。ネギ君について行くのは無理だ。二人はどうだ?」
「アスナさんは、その……何故か乗せると上手く飛べなくなっちゃうので……」
「そう、か。それじゃあ、桜咲はどうだ?」
「……私も、飛ぶ術はありません」
やはり、と思いながらも顔には出さない。なし崩し的にネギ君が単身で近衛奪還へと向かうことになった。作戦は立てた……ならば、やることはただ一つ。
「それじゃあ、アレをやっとくか!」
「仮契約、か?」
「分かってるねぇ、健二の兄さんは。あ、ちなみにオレっちはアルベール・カモミール。カモって読んでくれ」
欲望丸出しの顔で地面へと魔法陣を描いていくカモ。……もう決めていたことだが、やはりいざとなると決心が鈍るな。
「そいじゃあ、兄貴に刹那の姉さんブチューっと一発頼みますぜぇ!」
「あ、えぅ」
「あの、その」
両者共に顔を赤くして固まっている。カモがまくしたてているが、中々動きだす気配を見せない。……仕方ない。さようなら、俺のファーストキス。
「桜咲、お前がしないのなら俺が先にする」
ええ!? と驚く皆をよそにネギの首をつまみ上げて魔法陣の中に連れていく。そして、時間にして
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