第26話
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店主さんを探す事にする。
すると、海側の出口の方からしょう油が焦げるような匂いが漂ってきた。
上条がそっちの方を見ると出口からちょっと離れた砂浜の上で、炭火+金網で何かを焼いているらしい長身の男の背中が見えた。
髪は真っ赤に染められて長さは肩まで伸びていた。
「あ、ほら、おじさんいたよ。
テレビ聞いてきてテレビテレビ。」
美琴はそんな事を言いながらテーブルの下で足をバタバタさせるのを見て上条はあの、と声をかける。
赤髪の店主は振り返る。
Tシャツにハーフパンツに首からタオルを引っ掛けたその人物は魔術師ステイル=マグヌスだった。
「なばっっっ!!??」
青髪ピアスの事で頭が混乱している上条の頭は混迷を極めた。
身長二メートル強、赤髪長髪の英国人で炎を自在に操り人間を殺す事を何とも思わないような、魔術師とかいう別世界の人間だ。
「おう、随分早いお目覚めだな。
まだ海は冷ってぇぞ、それともあれか、昨日も暑かったから寝れなかったクチかい?
おっと、こいつはまだ焼き上がってねぇからお客さんの口にゃ入れらんねぇな。
オイ麻黄!客の注文取って適当に食いモン出しとけ。」
トウモロコシを焼く炭火に団扇で風を送りながら魔術師は言う。
ここにきて上条はようやくこの異常な事態に気づく。
他の連中ならともかくこの魔術師はこんな冗談やドッキリに協力的になるものか?と疑問に思う。
「おい父さん!客の前で「適当に」とか言っちゃまずいだろ!」
後ろからパタパタと足音が聞こえたので振り返ると、柑色の海パンの上からエプロンをつけて日に焼けた何とも純朴な御坂美琴が立っていた。
「なっ、一人二役!?
いや違う、これは量産型の御坂妹か!」
上条の訳の分からないツッコミに、彼女は顔を引きつりながらジャパニーズスマイルを浮かべる。
美琴は痺れを切らしたのかおにーちゃーん、テレビ点けるからね!!と言って勝手に点けはじめる。
テレビからレポーターさんの声が聞こえるのだが上条はどこか聞き覚えのある声だった。
そのレポーターさんの名前は古森と名乗っているのにそこにいるのは上条の担任である小萌先生だった。
上条は慌ててテレビの前までダッシュすると、そのブラウン管の中には外見年齢一二歳の女教師がマイクを握ってニュースの原稿を読んでいた。
画面の下にある小さなボタンを押してチャンネルを変えていく。
美琴はチャンネルを変えた事に不満を言っているが、そんな言葉は上条も耳に入らない。
そこに映っているのは全てがハチャメチャだった。
ニュースキャスターとして扱われているおじいちゃんや、某国大統領として戦争の正しさを演説する茶髪ガングロ女子高生らが映っているなどもうめちゃくちゃだった。
チャンネルをどれだけ回しても全
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