第二十六話 ナンのお家その三
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ダンはパレアナに問う。話を聞いているうちに少し不安になってきたがそれは顔には出さなかった。
「ナンのお家って今何処？」
「えっ」
この問いにダンは思わず固まってしまった。
「今何て」
「だから。ナンのお家って今何処にあるの？」
そうなのだ。ナンの家はパオなのだ。だから何時何処にあるのか非常にわかりにくいのである。これは草原の民の特徴である。ダンもそれはナンとの話でわかっていたが急にそれを問われて固まってしまったのであった。
「それは」
「それわからないと行けないわよ」
パレアナはダンに対してこう述べる。
「幾ら行くことになったって言っても」
「そうよね」
それにジュディが頷く。
「居場所がわからないんじゃ」
「どうしようもないじゃない」
パレアナはまた言う。
「でしょ？」
「そういえばそうだった」
ダンはそれを言われてようやく気付いた。
「何処にいるかだよな、今」
「そういうこと」
パレアナとジュディだけでなく他の皆も言う。
「他の皆は住所はっきりしてるけど」
「ナンはね。モンゴル人だから」
「ううん」
ダンはそれを聞いて腕を組んで考え込んだ。
「そうだった。それじゃあ」
「何か考えがあるの？」
ジョンがそれに問う。
「うちのラッシーでナンの匂いを調べてもらって追跡するとか？」
「それもあれだよ」
ロザリーがそれに突っ込みを入れる。
「何か物々しいよ。別に捜査するわけじゃないんだから」
「勘で調べていくのはどう？」
ローリーの意見はまた実に独創的なものであった。
「それで適当に見つけていく」
「そんなので見つかったら奇跡よ」
パレアナがすぐにそれを却下した。
「見つかるまでに下手したら何日もかかわるわよ」
「それもそうか」
「全く。駄目に決まってるじゃない」
「じゃあさ」
次に出て来たのはアンジェレッタであった。チョコンと登場してきた。
「ナンにお薬飲んでもらって自分で言ってもらうってのはどう？」
「ちょい待ち」
皆その言葉にはすぐに突っ込みを入れた。
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