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剣の世界の銃使い
ボッタクリ店主と黒尽くめ
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いる。そのため、他に客がいなくて、早めに用事を済ませやすい早朝にこの店に来ることにしているのだが。あと、クロノというのは俺がキリトにつけたあだ名で、彼の二つ名の《黒の剣士》からとっている。

「だからクロノはやめてくれって。それで、何の取引してんだ?」

キリトも俺のトレードウインドウを覗き込んで来る。

「うお、ブルーサラマンダーの素材かよ。よく倒せたな」

キリトもエギルと同様、驚きの表情を示す。

「あ、爪があったらくれないか、防具に必要で」

「エギルに売るんだから、売った後にそれを買えばいいんじゃないのか?」

「いや、エギルから買うと値段をぼったくられるんだよな・・・」

「ああ、それは分かる」

「お前ら、そういうのは本人の前で言うもんじゃねえよな」

エギルが苦笑する。エギルは商人なのにもかかわらず、自己犠牲という言葉からはかけ離れているとおれは毎回思う。

「よし乗った。というわけで先にトレードしてたのにスマンなエギル。爪はクロノに売るわ」

「ん、問題ない。それ以外のやつだけでも、十分助かるからな」

取引を成立させ、二人とトレードを終わらせる。俺はウインドウを閉じて、店から出て行こうとした。

「この後、レイトはどうすんだ?何も用事ないなら、これから知り合いのギルドが打ち上げやるって言ってるんだが・・・お前もどうだ?」

後ろのキリトから誘いの声がかかる。しかし、俺は片手を上げて

「すまんが、おれはパスで。ちょっとやることがあるんでな。クラインにもすまないと伝えておいてくれ」

「よくクラインのところのギルドだって分かったな・・・」

「俺とおまえが共通して知り合いがいるギルドなんてあそこしかないだろうが」

と、断った。これから、スキルの熟練度を上げに行くためだ。別にそれだけなら誘いに乗ってもいいのだが、俺はまだ、友人たちにもあのユニークスキルを見せたことが無い。そのため、あれを使うときには、全くパーティを組まずに、一人で狩るようにしている。
にしても、クロノも変わったなぁ。出会ったときに比べればかなり角が取れている。いいことなんだろうな。
そのまま、振り返らずに店から出た。
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