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八条学園騒動記
第二十四話 妹達その二
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「何か誤解してるでしょ、あんた」
「別に誤解はしていないわよ」
 それでも今のエイミーは意地悪であった。
「別にね」
「あのね」
 そんなエイミーにあえて言い返す。
「これってお互いの兄妹で作り合ったのよ」
「お互い!?」
「そうよ」
 エイミーに対してまた言う。
「当たり前じゃない。何想像してんのよ」
「そうだったの」
 それを聞いたエイミーの顔が急に拍子抜けしたものになってしまった。
「何だ」
「何だってね、あんた」
 今度は蝉玉がエイミーに言う番であった。
「また変なこと想像してたんでしょ」
「ご想像にお任せするわ」
「全く」
 蝉玉はそんな彼女を見て溜息を吐き出した。
「そういやあんたは妹だったわね」
「バリバリの妹よ」
 エイミーはそう返した。
「末っ子だからね。四人姉妹の」
「大変?」
 彰子が尋ねてきた。
「別に大変でもないわよ」
 エイミーの姉達は美人でしっかりしていると評判なのだ。大学では有名な美人姉妹である。
「一つだけ例外があるけれどね」
「例外?」
「何、それ」
 その言葉に彰子とベンが尋ねる。
「あっ、まあ秘密」
「秘密ってあんた」
 それに蝉玉が突っ込む。
「何かずるいような」
「そのうちわかるからさ」
 スターリングに対しても妙な返しであった。
「そのうちね」
「何か気になるわね」
 蝉玉はそんなエイミーの言葉にどうにもいぶかしがっていた。
「何なのかしら」
「けれど蝉玉ちゃん」
 だがここで彰子が話を振ってきた。
「何?」
「あの、彰子ちゃんもお姉さんだったのね」
「まあね」
 その言葉に答える。
「三人ね」
「そうだったの」
「一番上のお兄ちゃん以外は全員女なのよ、うち」
「何か僕のところと同じだね」
 ベンはそれを聞いて言った。
「それだとさ」
「まあ一人多いんだけれどね」
「四人姉妹だと私のところと同じじゃない」
 エイミーがそう言ってきた。
「あっ、そういえばそうね」
 蝉玉の方もそれを言われて気付く。
「何か面白いような」
「結構妹がいる人ってこのクラス多いね」
「っていうかさ」
 蝉玉はスターリングの言葉に応えた。
「何かお姉ちゃんいるっていう方がないわね」
「そういえばね」
 皆それを言われて気付く。
「あのフランツだってお兄ちゃんだし」
「あのなのね」
 皆エイミーの容赦のない言葉に突っ込みを入れる。
「これイメージなんだけれどさ」
 エイミーは彼等の言葉に応えるようにして述べた。
「フランツってどういうわけかお姉ちゃんいるっていうイメージなのよ」
「それはまたどうして」
 ベンがそれに問う。
「何かよくわからない理屈みたいだけれど」
「ほら、あれよ」
 エ
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