第三話 スポーツはいいけれどその一
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スポーツはいいけれど
メキシコからやって来たマルコ=アミーデスはサッカーも野球も得意なスポーツマンだ。適度な背に引き締まった顔をしている。爽やかな黒髪に健康的な黒い目、実にいい顔をしている。
「とにかくスポーツなら何でもござれだぜ」
彼はにこりと笑ってそう述べる。
「けれどやっぱりサッカーだな」
「サッカーが一番好きなんだ」
「ああ、そうさ」
学校の新聞部のインタビューにも爽やかに答える。サッカーグラウンドをバックにしてユニフォームを着ている。それが非常に絵になっている。
「やっぱりサッカーだよ、俺は」
「けれど野球部にいることもあるよね」
「まあな」
新聞部員の質問に快く答える。
「けれど第一にはサッカーだね」
「そうなの」
「そうさ」
こうした爽やかなインタビューが学園新聞に載った。クラスでもそれは紹介されていた。
「へえ、マルコ君て凄いんだ」
彰子もそれを見てやけに感心している。
「サッカーが一番好きって」
「嘘じゃないぜ」
クラスでも爽やかな物腰なので男女共に人気がある。
「身体を動かすやつの中でもサッカーは最高にいいんだよ」
「そうそう」
それに頷く少女がいた。黒い肌に赤い髪、目は翡翠の色をしている。サバサバとした外見をしている。背はあまり高くはないが均整のとれた身体つきをしている。
「やっぱりサッカーはいいよね」
「そうだよな、レミ」
「ああ」
レミと呼ばれた少女はマルコの言葉に応える。彼女の名はレミ=ジャノバン。ブラジル人である。
「野球やバレーもいいけれどな」
「俺はバスケも好きだけどな」
「とにかく球技が好きなのね」
彰子がそれを聞いて頷く。
「二人共」
「まあ格闘技とかは苦手かな」
マルコは少し苦笑いを浮かべた。
「ルチャ=ブリエとかは」
「あたしも。カポエラとかはね」
レミもそれは同じだった。どうやら二人は格闘技には興味がないらしい。
「痛いのは嫌いなんだ」
「同じく」
ここも同じだった。
「苦しいのも?」
「当然」72
二人は同時に言った。
「スポーツは楽しむ為にやるんだよ」
「すっくりと爽やかにね」
マルコは明るい顔で、レミはウィンクして答える。
「じゃあ気合入れて死ぬ気でやるのは?」
「いや、漫画じゃあるまいし」
マルコは少し引いて言う。実際に身体が引けていた。
「それはちょっと」
「あたしの柄じゃないわね」
「そうなの、やっぱり」
彰子にも何となくわかっていることではあった。一応聞いてみたのだ。
「腰にタイヤつけて走ったりとかもしないわよね」
「あれはするかな」
「ちょっとはね」
「じゃあ火山の噴火口での特訓とかは?」
「いや、そんなの何の意味
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