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木の葉芽吹きて大樹為す
蛇足・結末に至る過程の話
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 少しだけ困った様に笑うと、その人は遠く木ノ葉隠れの里へと眼差しを向けた。



「大事件だよ、さっちゃん! 久方ぶりに木ノ葉に里帰りしたのだけれども、木ノ葉の里が……!」
「さっちゃんは止せ! 兄さん、この間抜け面を晒しているのは一応オレの師匠で、これでも初代火影だったらしい」
「初代、火影……? 馬鹿な、死んだ筈では――そうか、大蛇丸の……」
「うん、そう! 改めて始めまして。――で、話の続きなんだけど、暁の首領が木ノ葉に侵攻して里を丸ごと潰してしまったらしい。それと五代目が……つーちゃんが倒れて、六代目にダンゾウ君が選ばれたって!」
「ダンゾウが!?」
「何か知っているの、イタチ君?」

 青年の口から語られるうちは一族滅亡に至るまでの話に、自然とそれを耳にした二人の顔が険しくなる。

「何度聞いても愉快な話じゃないな……。おい、やけに顔が青ざめているが……どうしたんだ」
「なんていうか、気付いちゃった。どうしてダンゾウ君が私の細胞を移植したのか……」
「ダンゾウはシスイ兄さんの目を持っていた。それには貴方のチャクラがあれば利用のサイクルを縮める事が出来る……そのためでは?」



「あ、あなたが世界に名高いラップ忍者こと、キラー・ビーさんなんですね! お会いできて嬉しいです、初めてあなたのラップを聴いて以来、ずっとファンでした!!」

 恋する乙女の様に頬を赤らめ、もじもじとしながら色紙を取り出した彼の人の姿に、その場にいた誰もが目を見張った。
 浅黒い肌を持つ雷の国出身の忍び達は、驚愕の視線をサイン待ちしているその人へと向ける。

「お、おい……。今の一言聞いたか? ふぁ、ファンだってよ、師匠の……!」
「うっそ、マジかよ……。世の中には好き者がいるもんだな……」

 刀を背中に差した若い二人の忍びがそう呟けば、彼の人と共に雷の国の人柱力に会いに来た『鷹』の面々は無言で目を背けた。

「サスケ……。なんだかとってもキラキラした目でこっちを見ているんだが……」
「目を合わせるな、水月。同類だと思われるぞ」



 オレンジの色の渦を巻いた仮面の男が一人、世に名高い四人の影を前によく響く声で己の計画を明らかにしていた。
 それを部屋の外で耳にしていたその人は、目深に被った外套のフードの下に隠された容貌に何とも形容し難い表情を浮かべた。

「月の眼計画……それに、うちはマダラだと……? なんだかきな臭くなって来たな……」

 小さくそう呟くとその人は踵を返して、その場から立ち去る。
 向かう先は、六代目火影候補であるかつての教え子の元だ。



「これでよし、と。そろそろ私も行くとしますか」
「大叔母様、一体どこへ行くと言うのです? あの仮面の男は未だに……」
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