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木の葉芽吹きて大樹為す
蛇足・結末に至る過程の話
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ないか、うちはの少年。私は君の知っている事を知りたくて、同時に確かめたい事がある。そして君は復讐のための力が欲しい。だったらあの蛇男よりも先に私の手を取りなよ。――少なくとも、私は君が今向かおうとしている蛇男よりも遥かに強いよ?」
「……何者だ、あんた」
「つくづく可愛くない反応だなぁ! 全くもってあの野郎にそっくりだ」

 大袈裟に溜め息を吐いてみせて、その人は軽く肩を落とした。
 同時にそれまでの触れただけで切れてしまいそうな空気が一変して、気安い雰囲気がその人を包む。

「さあてね、そればかりは内緒だ。悔しかったら当ててご覧、うちはの末裔」



「奇妙なんだ。私の覚えている里の風景の中で、どうしてかうちはだけが集落の位置が記憶と一致しない。……昔は、あんな里の外れにうちはの集落は置かれていなかったんだ」
「――覚え間違いって事じゃないのか?」

 焚き火を囲む様にして、二人の人物が向かい合っている。
 炎を作る陰影が、それぞれの横顔を彩った。

「それはない。あの時の事はとても鮮明に覚えているし、勘違いって事は無いんだ。それに……」

 一度言葉が途切れる。

「うちは一族の実力は私が一番良く知っている。幾ら君の兄が天才だったとしても、たった一人で一族全員を一晩で殺し尽くすなんて出来る訳が無い」
「けど……!」
「君の記憶は正しいけど、残念ながらそれだけで全てを判じてしまうには情報が少なすぎる。それに……可笑しな事は他にもある。一晩に一つの一族がなくなる程の殺戮が起こったって言うのに……どうして木ノ葉の者達が気付かなかった? 単純に、君の兄だけが絶対悪だと……言い切れる話ではないかと私は思うがね」

 少年は、唇を強く噛み締める。
 その姿に気付いた人影は、悲しそうに瞳を伏せた。

「うちはの滅亡に……里も噛んでいるという事なのか?」
「――残念ながら、その可能性は限りなく高いね」



「ここが大蛇丸の実験場か……。相変わらず胸くそ悪りぃな……って、なにしてんだ?」
「さ、最悪だ。最悪すぎる……! そりゃあ、遺体が火葬されていないという時点で薄々勘付いてはいたけどさぁ……!!」

 巻物を見下ろしながら顔を両手で覆ってぶつぶつと呟いている人影に、少年は気味悪そうに眺めやる。

「私の細胞、なんだかんだで悪用されまくりじゃん! くっそ、フラグ回避ならずかよ!! もう最悪だぁぁあああ!!」
「落ち着け! 大声を出したら他の奴らにバレるぞ!! あんたが来たいって言ったから大蛇丸の野郎に頼んで研究所までやって来たのに、それを台無しにする気か!!」

 蛇を模した柱に頭を打ち付け出した相手を、少年は慌てて押さえた。



「公衆の面前で堂々と自殺してんじゃねーよ! 未来
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