第二十一話 想い人は誰!?その三
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「何もないわよ」
「そう、まあいいわ」
「それでさ」
話が戻ってきた。
「とにかく彰子ちゃんよ」
ペリーヌが仕切りなおしてきた。
「あの娘の好きな人って誰か」
「いるのかどうかっていう時点から問題よね」
「そうなのよねえ」
ペリーヌはジュリアにそう述べた。
「相手は誰か」
「ここはオーソドックスに男の子に絞っていく?」
ダイアナが提案してきた。
「どう?」
「それが妥当ね」
アンがそれに頷く。
「普通に考えて」
「それでよ」
ペリーヌがまた言ってきた。
「彼女の趣味、わかる?」
「いえ、全然」
「私も」
「考えたこともないわ」
だがそれは誰も知りはしなかった。だからこそ話題になっているのでもある。
「そもそも興味があるかどうかって話だったし」
「そうよねえ」
ジュリアとダイアナはまた言い合う。
「とりあえずさ」
ここでアンが提案してきた。
「彼女を見ていこうよ」
「そうね」
三人はアンの言葉に頷いた。とりあえずはそれでいくしかないと思ったからだ。
「それが一番ね」
「じゃあ」
こうして四人の女の子達が彰子をじっと見ることになった。その結果面白いことが結構わかった。
「やっぱりおっとりしているわね」
「そうね」
調べた結果をそれぞれメモ帳に書いていく。教室の隅で四人固まって何かと話をしている。
「それで勉強はできる」
「スポーツもそこそこ」
「持ってるものはいい」
「やっぱりお嬢様ね」
「そうね」
彰子の細かいところまで調べていた。半分ストーカーである。
「妹思いで」
これは事実である。彰子と明香は仲がいいことで知られている。姉も妹もお互いのことを常に気にかけている。そうした姉妹なのである。
「家事は料理が得意」
「お裁縫もね」
意外と万能タイプな彰子であった。しかし。
「背は低いわね」
「そうね。アンジェレッタ程じゃないけれど」
アンジェレッタはクラスで一番の小柄であるとされている。その小ささは最早学校中に知れ渡っている。小学生とまで言われてしまう程だ。
「小さいっと」
「胸もね」
実は彰子は所謂貧乳である。
「ないわよね」
「ええ、全然ね」
「これは私の方が勝ってるかしら」
ダイアナはここで自分の豊かな胸を見下ろす。
「それも圧勝ね」
「あたしだってそうよ」
「私だってね」
ジュリアもペリーヌもそうであった。だがアンはそうではなかった。
「くっ・・・・・・」
しかし彰子よりは大きかったのでまずはそれに満足することにした。それから安心したように言った。
「とにかくさ」
「ええ」
三人はアンに応える。
「まずは調べてみましょうよ、もっと」
「もっと?」
「そうよ、結局わかっ
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