第百十六話 運命の歯車
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ええ、これよ」
キラに応える。そしてリモコンのボタンで左手の巨大な扉を開ける。するとその奥にストライクに似たモビルスーツが三体あった。四体あるがもう一体は奥にありよく見えない。
「このモビルスーツをね。ナチュラルが乗ってもストライクと同じ性能が出せるようにしたいのよ」
「それで僕を」
「ええ。それでね」
ユリカもそれを認める。
「お願いできるかしら」
「オーブはこれを何に使うつもりなんですか?」
「これはオーブの守りだ!」
「!?」
「うわっ」
「出ましたな」
「こらっ、何が出ただ!」
それはカガリの声だった。彼女はユウナとキサカを一喝する。
「貴様等私に会いもしないでこんなところで」
「い、いやそれはね」
「アムロ中佐とヤマト少尉を案内して」
「ふん、だったらいいがな」
まずは二人から目を離した。その間に二人はコソコソと話をしている。
「あれは気付かれていないだろうね」
「御安心下さい、無事です」
キサカはユウナの囁きに頷いていた。
「ですからユウナ様も」
「わかってるさ。見つかったら僕達は私的制裁確定だ」
「今は。厄介なところですな」
「うん」
「一体何の話をしてるんですか?」
二人はキラに声を聞かれギョッとした顔になる。
「い、いや何でも」
「気にしないでくれ。今は君はそちらに集中してくれ」
「何かわからないけれどわかりました」
キラはそれに頷くことにした。
「じゃあ」
「まあ君にも後でいい話があるから」
「カズイ君とも話がしたいな」
「はあ」
「全く。こんなものを開発して」
カガリは忌々しげにモビルスーツを見上げていた。
「これは裏切りだ」
「裏切り!?」
アムロがそれに反応する。
「そうだ。他の勢力に介入しないと言っておきながらこんなものを開発して」
カガリは言う。
「連邦にもザフトにもティターンズにもいい顔をする。結局戦争を利用しているんだ」
「だがそれが政治なんだ」
アムロはカガリに対して言う。
「嫌だとは思うがな」
「戦場では皆自分の守りたいものの為に戦っている」
「守りたいものの為に」
キラはそれを聞いて自分とあのインパルスのパイロット、シンのことを思い出した。
「なのにオーブは自分達さえ平和ならそれでいい。それで利益まで得ている。卑怯じゃないか」
「守る為にか」
またその言葉がキラの心に響く。ここで懐にしまっていたトリィが動きはじめた。
「あっ、トリィ」
「トリィ、トリィ」
トリィはキラに構わずに倉庫の外へ出る。キラもそれを追って倉庫を出た。
「すいません、ちょっと」
「ええ、少し休憩ね」
ユリカはそれを見て言う。
「映画の撮影状況はだね」
「はい、それはもう」
ユウナとキサカは相変わらず変な話をしている。それが何なの
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