第百十二話 砂塵の果て
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どこが優しい!」
「御前さんの気持ちはわかるけどさ」
それに宇宙太が応える。
「やっぱり命が助かっただけでも」
「ガイゾックだったら人間爆弾だぜ、おい」
「何、人間爆弾」
恵子と勝平の言葉にビクリと反応する。
「というと人間がそのまま突っ込んで破壊しまくるのか」
「ああ、それ勘違いですよ」
麗がそう説明する。
「確かにそんなことが可能な人もいるにはいるがな」
「あれには正直我が目を疑いました」
「ええと、そっちがミスターで」
カガリも神宮寺は知っていた。
「そっちのメガネのウラナリは」
「猿丸です」
「ああそうか、宜しくな」
「ええ。けれどウラナリなんて」
「気にしない気にしない。猿丸さんはコープランダーのブレーンでしょ」
「はい・・・・・・」
マリの言葉にしょげかえりながら頷く。
「で、まあ人間爆弾だけどよ」
「ああ」
勝平の言葉に耳を傾ける。
「人間に爆弾を埋め込んでな。街中で爆発させるんだ」
「なっ・・・・・・!」
流石にこれには絶句した。
「何だそれは。非道にも程があるぞ!」
「だからそれがガイゾックなんですよ」
猿丸があらためて述べる。
「もうやっつけましたけど。それと比べたらかなりましでしょ」
「ま、まあな」
どう考えてもそれよりは遥かにましであるのは彼女にもわかった。
「だがな」
それでも言わずにはいられない。
「あいつは臆病な卑怯者だ!何が砂漠の虎だ!!」
「・・・・・・じゃあどう言えっつうんだよ」
甲児もこれには呆れた。
「こういう場合は」
ムウがそれに応える形で言った。
「ヤな奴だな、虎って。こうかな」
「あんたもな!」
そう叫んで飛び出そうとする。それをキサカが呼び止める。
「何処に行く気だ、カガリ」
「スカイグラスパーの操縦訓練だ!」
それに対してまた叫ぶ。
「虎は私の手で討ってやる!!」
そして部屋を飛び出た。扉が乱暴に閉められる音がした。
「荒れているわね、彼女」
セイラがそんなカガリを見て言う。
「まるで昔のアムロ中佐を女の子にして乱暴にしたみたい」
「また俺なのか」
「だってあの時のアムロって中々大変だったから」
「やれやれ」
一年戦争の、そしてロンド=ベルのエースにも若い頃はあったのだ。
「しかし何か最近荒れっぱなしだな、確かに」
「昨日も彼女を追っていた坊主と一悶着あったみたいですよ」
ムウが言う。
「そうなのか」
「ええ。坊主も坊主で」
「そうか。済まないな、ラミアス大尉」
アムロはマリューに顔を向けて謝罪した。
「俺がついていながらパイロット間でつまらん諍いが起きているようだ」
「あ、いえ」
最近まで雲の上の存在だったエース中のエースに声をかけられキョトンとしている。
「私は別に」
「シャ
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