第百十一話 強襲、砂漠の虎
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リアリアとサイも。とりあえずは虎口を脱した。だが。
「おかしいな」
アムロはキラの異変に気付いていた。
「この気持ち、危険だ」
「アムロも感じてるの?」
「クェス」
「私もあの子の心、わかったよ」
「そうなのか」
「うん、何か変な気持ち」
クェスはキラの心を探るようにして言った。
「解放されてそれで元気になってるような。けど」
「そうだな、もう一つ感じる」
二人はここでアークエンジェルの方を見た。
「この邪な気は一体」
「誰のなんだろ」
「アークエンジェルはやらせないぞ!!」
叫ぶキラ。フレイはそれをアークエンジェルから眺めていた。
「ふふ、大丈夫よ」
あの黒い笑みで笑っていた。
「あの子が守るわ。私を守るから」
キラの参戦がそのまま流れを変えた。ロンド=ベルの攻勢は強まりザフト軍は押されだしていた。
「なかなかやるねえ」
バルトフェルドはそんなロンド=ベルの攻撃を見ながら言った。
「噂は伊達じゃないってことか」
「感心している場合ではないと思いますが」
「はああああああああああっ!」
「やっちゃええええええええっ!」
その前ではビルバインが空を駆っていた。その速さ、機動性はディンを遥かに凌いでいた。ダコスタはそのビルバインを見ながら述べたのである。
「あのビルバインに乗っているショウ=ザマもまた」
「聖戦士だったね。こりゃまた厄介な話だ」
「隊長、どうされますか?」
ダコスタはそのうえで述べた。
「このままでは我が軍は」
「よし、最後に浴びせるか」
それから撤退しようとした時に。突如として艦は揺らいだ。
「なっ!?」
「まさかここで」
そのまさかだった。何時の間にかザフト軍の側にジープや装甲車からなる武装勢力が接近していたのだ。今の揺れはそこからの砲撃であった。
「やったぞ!」
ジープの一台にバズーカを抱えた少女が乗っていた。攻撃は彼女によるものであった。
「見事な攻撃だ。だが」
レセップスは健在だった。流石にバズーカで戦艦を撃沈するのは無理があった。
「この程度ではな。沈むわけにはいかないな」
「隊長、どうしますか」
ダコスタが言ってきた。
「ゲリラまで出たとあっては」
「仕方ない。ここは退くか」
バルトフェルドは呆気なくそれを決定した。
「どのみち威力偵察が目的だったしな。これ以上損害を出しても何の意味もない」
「それでは」
「うん、ここは撤退だ」
ザフト軍は異様なまでにあっさりと撤退した。これはロンド=ベルにとっては意外なことであった。
「おいおい、帰っちまったぜあいつ等」
イザムが言う。
「もうかよ」
「おそらく今は決戦の時ではないと判断したんだな」
バニングが退いていくザフト軍を見ていた。
「鮮やかな引き際だな」
「ですね」
アデ
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