第百十話 宇宙に降る星
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あの避難民達が集っていた。
「この人達がアークエンジェルで地球に降りる人達かなんだね」
「そうよ。皆ザフトにコロニーを壊されてオービットベースに避難してきたのよ」
「それでここに」
「ええ」
「お兄ちゃん」
「!?」
キラがその声に顔を向けるとそこにはエルがいた。
「君は確か」
「うん、御礼言いたくて」
「御礼って」
「お兄ちゃんはこの船の人なんだよね?」
「そうだけど」
エル「今まで守ってくれてありがとう」
「えっ・・・・・・」
「この子ね、ヘリオポリスに住んでいたのよ」
「うん、それは知ってるよ」
キラはフレイに答えた。
「私達がアステロイドに行っている間にも色々な手続きがあって。やっと地球に降りられるの」
「そうだったの」
「これ、あげる」
「これは花?」
エルが差し出したのは一輪の花だった。
「うん、あたしが折り紙で作ったの」
エルは言う。
「お兄ちゃんにあげるね」
「これを僕に」
「今まで守ってくれた御礼だから」
「そう・・・・・・」
「有り難う」
「じゃあね。これからシャトルに乗るから」
「うん、また」
エルはそのまま母親と共に食堂を後にした。フレイはその後姿を見送りながらキラに言う。
「あの子これから先に何が待っているか知らないから笑っていられるのね」
「これから・・・・・・」
「そうよ。地球に降り立って戦いから逃げられるわけじゃないのに」
「・・・・・・・・・」
キラはそれを黙って聞いている。答えることは出来なかった。
「それでもああやって懸命に生きて。でも私はあの子に何もしてあげられない」
「僕が戦うよ」
「キラ・・・・・・」
「フレイの想いの分も戦うから」
キラは言った。
「もう逃げない、決めたんだ」
「いいのね、それで」
「ああ、しょうがないよ」
その言葉にはまだ迷いがあった。それでもキラはそれを振り切るようにして言った。
「この戦争終わらせなきゃ僕達だってさ」
「そう、それなら」
フレイもそれを受けて言う。
「私も想いはあなたを守るわ」
「フレイ・・・・・・」
それは本心の言葉ではなかった。だがキラにはそれがわからない。フレイは今邪悪な女になろうとしていた。それに気付くのは今は誰もいなかった。
ロンド=ベルはアフリカへの降下に入った。その前にシャトルを発射させた。
「まずは彼等をな」
「はい」
ブライトはまず民間人を逃がしたのであった。6
「行く先は何処でしょうか」
「南アフリカだ。これで彼等も一安心だ」
「ですね。下手に日本とかだったら」
日本は相変わらず激戦地であったのだ。三輪がそこでとんでもない命令を連発して周辺を困惑させ続けていた。
「碌なことにならないからな」
「ええ」
「それでだ」
ブライトはトー
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