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ソードアート・オンライン ーBind Heartー
食べたい男達
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? 」

あくまで判断は俺に任せるらしいので、それに乗らせてもらうことにしよう。
ソロでの攻略を基本としている俺はスキルスロットのほとんどを戦闘用のスキルでうめているので、そういった日常系スキルはさっぱりだ。
この先こんな食材を入手できる可能性はごく少ないだろうし、俺だってたまには汁気たっぷりの肉を思い切りほおばってみたいという欲求もある。
だが、ふたりそろって調理ができないのであれば仕方がない。
食べるのだとしたら誰か達人級の料理職プレイヤーに頼まなくてはならない。
そんなアテはーーないこともない、のだがわざわざ頼みに行くのも面倒だし、そろそろ新しい防具を新調しなければならない時期でもあるので、残された選択肢は売却しかなくなった。

「それなら、ちょっと惜しいけど売って金にするか。分け前は半分ずつにしようぜ」

俺の提案を待っていたトーヤは今度は考えることなく頷いて答えた。
そういうことなら、と俺は腰の小物入れを探った。
つまみ出したのは、深い青色にきらめく八面柱型の結晶ーー転移結晶だ。結晶系アイテムは即効の便利アイテムだが値が張るので使いにくいが、Sクラスアイテムを持ち歩くよりもこちらの方がはるかに安全だ。
取り出した転移結晶は二つ。そのうちの一つをメインメニューを閉じたトーヤへと放ると、空いている左手がきれいにキャッチした。

「アルゲードに知り合いがやってるショップがあるからそこに行くぞ。それ使っとけ」

「あ、ありがとうございます!」

若干戸惑いつつも頭を下げるトーヤが青い結晶を掲げるのを確認して、俺も結晶を握る。
この結晶の代金も、暇があれば後で要求するとしよう。
転移コードの叫びは、ふたり同時に重なった。

「「転移! アルゲード!」」

沢山の鈴を鳴らすような美しい音色と共に、結晶ふたつがはかなく砕け散った。同時に俺の体は青い光に包まれ、転移が開始された。









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