SAO編−白百合の刃−
SAO1-氷の漆黒
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セツの手を掴んで引きずりながらグイグイと、ゲート広場へと足を向かった。
置いてけぼりにされた私は後についていく。
「お……おいおい、いいのか?」
「いいんです!」
「まだ買い取り終わってないわよ? 勝手に連行しないでくれる?」
「あれほど挑発し過ぎるのは駄目って言ったでしょ! 今日はラグー・ラビットの肉を料理して半分食べていいから、お説教しますからね!」
「買い取りの邪魔したのだから、お説教は省かせてもらうわね」
「ドウセツがストロングスを怒らせるからでしょ!」
どうやら、流れで一人追加されるようだ。でも、それでいいと思った。久々に彼女と話せる機会に触れることができるのだから。
「ドウセツ」
私はドウセツに声をかけた。
「あら、『白の剣士』さん。いたのね」
「いたって、エギルのところにいましたよ。つか、お久しぶり」
「そうね……」
第一層の時から、ドウセツはキリト並に優れる腕を持っていた。ベータテスト中にキリトと同様に誰も到達出来ない層へ行ったと思う。ドウセツは昔からクールで慣れ合いを好まない一匹狼。そんな彼女がどのような形で入ったのかは知らないが、血聖騎士団に入団。その腕前は『閃光』のアスナと並べられていて、アスナが光ならドウセツは対比する陰の『漆黒』の二つ名がつけられた。でも、そんな彼女は四十九層攻略中に脱退した。
あまりにも突然すぎる脱退は噂になったらしい。ふとした小さな噂が大きな噂になったのが、護衛cが言った『裏切り者』である。
そして今ではソロプレイヤーでは誰もが知る、剣閃使いの抜刀、『漆黒』のドウセツと呼ばれている。
彼女とはボス攻略の時にちょくちょく会うが会話はいつぶりだろうか。私のことを『白の剣士』と呼んでいるから、ドウセツも私と話すのはいつぶりなんだろう。その話は機会があれば二人っきりで話したいな。
ふと、視線をキリトに移すと、女の子の部屋に行くことになったから、どこかしら緊張している様子だった。基本的に生意気なキリトと生真面目で可憐のアスナ。それに加えて、クールで猛毒舌のドウセツ。と私。なんだ、男性はキリトだけか、これじゃあ、キリトがハーレム状態になってしまうのではないか。生意気キリトめ。まぁ、別にいいけど。ドウセツも私もキリトに関しては恋愛対象として見ていないから、アスナといちゃいちゃしてればいいんじゃないの? ムカつくけど。
今日は良いことづくしの日だと浮かれていた私は、後ろからの冷たい視線がなんなのか気づくことはできたけど、それがなんなのかは気づくことはできなかった。
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